第3話
私たちの小学生くらいの頃は、「アイキューテスト」というのを生徒は受けることになっていました。
問題は、図形や数字の、なんというか半分クイズっぽい、面白いような問題で、「こういうのは得意やな」とか、なんとなく解いて、で、後日「アンタ天才!」みたいに親やら先生から褒められた。
標準が100のアイキューという数値、今なら「知能指数。 精神年齢÷肉体年齢で算出」とか知ってますが、なんかその数字が高かった…MENSAという、天才の集団?そういうのにも入会できるくらいに高IQでした。
いろんなSNSとかで、同じように「MENSAの会員」とか、たまにそういう高IQの人物には遭遇する。
なんとなく似通っている点はある…高学歴が多い。 TOEICやら漢検とか得意だったり。
ですが、自分の場合、そのことはトータルで見るとマイナス要素だったかも…変にエリート意識みたいな構えができていて? 対人関係では妙に齟齬やら軋轢になることがある。
こういうことを「優越コンプレックス」というらしいですが、成績のいい餓鬼には通弊のことか? 「あんた、親に褒められたんやろ」とかすぐ指摘してくる人もいる。
鼻にかけているんじゃないですが、なんとなく「こんなことも、知らんのか」みたいな態度が出てしまい?気まずくなったりすると、オレは繊細なのでPTSDみたいになり、症状がひどくなる。
知的とされている職業の人は、なんとなくそういう葛藤に悩むこともありそうです。 文字通りのエリートでも、「威張りやがって」と反発されたら、神経の細い人なら気に病むかも。 オレとかは精神障害で、リハビリしているので、そういう身の上だと、変に賢いとかでかえっていじめにあったり、非常に悩む感じになる。
「てめえごときが、」みたいに馬鹿にされ具合が感情的にひどくなる。
まあ、人間関係の悩みというのは、完全に消え失せるということは、望み薄で、山奥の一軒家に一人で住んでいても、人に逢わないわけにはいかない。 ハイジのおじいさんでも時々は街に出て行って、あにはからんや?喧嘩したりしていたw
「草枕」の冒頭の、「知に働けば角が立つ…」のところはこういう事情を言いえて妙で、「どこに越しても住みにくいと悟ったときに」は「詩ができ絵ができる」と、解決法を提示している。
星新一さんも、作家になる出発点は、会社がつぶれてその整理で苦労した体験から、この世の外の空想世界に逃げ場を求めていて、で、SFに行きついた…そういうことをよく書いていた。 「人間関係のいざこざが一番いとわしい」から「エイリアンがいるほかの惑星のほうがまし」とか、そういう発想。
「ひとりはさみしいが、二人は苦しい」と、そういうジレンマは日常的にあって、そういうことはよく言う。「孫は来ても帰ってもいい」と、そういう発想ならいいですが、「それでも、人しか~愛せな~い~」だと消極的で?宗教的な解脱とか、別の発想をしたくもなるか。
サマセットモームの「人間の絆」も、自伝のタイトルですが、なんとなく絆が桎梏みたいなシニカルなニュアンスである。 よく「十字架」という言い方、「原罪」という言い方、「生まれいずる悩み」も言うが、やはり「生老病死」から逃れられないのが運命。 愛別離苦、で求不得苦。 怨憎会苦まである。
自殺する人が多くても無理はない。
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