第5話 木山宏美への復讐1
一人の女性がアパートから出て来た。
ロングヘアをゴムで一つに縛り女性は自分の自転車に乗る。
俺が死んでから10年経っていてもその顔はほとんど変わらない。
この女の名前は
宏美は顔はそれなりにいいが性格はキツイ。
そのため学生の頃つまらないことがあると俺に当たり散らした。
教科書を投げつけられたこともある。
教科書の角が俺の頭に当たってかなり痛かった。
そこで俺が宏美に文句でも言うもんなら今度は罵詈雑言を浴びせられる。
「デブ」「変態」「顔がキモイ」等々。
俺は別に太っていた訳じゃない。運動ができなくてどんくさいところはあったがそれは体型のせいじゃない。
顔だってイケメンじゃないが普通の平均的な日本人の顔だろう。
だがそんなことはイジメてくる奴らには関係ない。
自分の言葉で俺が傷ついて苦しむ姿が見れればそれで奴らは満足するのさ。
俺はノアと一緒に空から宏美の様子を見る。
当然他の人間に見られないように姿を消した状態だ。
「木山宏美は過去2回離婚しています。今の旦那は3人目の
ノアが手帳を見ながら宏美の情報を俺に教えてくれた。
宏美の奴、10年の間に2回も離婚しているのか。ざまあねえな。
姿は美人の範囲に入るだろうが結婚して相手の男も宏美の性格の悪さに気付いたのかもしれない。
今の旦那は婿養子に入ったから宏美は学生時代の苗字と変わらないのか。
そういえば宏美は一人娘だったしな。
俺は宏美の両親が宏美を溺愛していたことを思い出した。
宏美の実家は婿養子が必要な家でもなんでもない。それなのに婿養子を取ったってことは単純に宏美の両親が結婚で苗字が変わると自分の娘を取られたと思ってしまうからだろう。
「2回の離婚の理由は何だ?」
一応以前宏美が離婚した理由をノアに訊くとノアは手帳を見ながら答える。
「え~と、2回とも旦那の浮気が原因ですね」
「ククッ、あいつ旦那に浮気されたのか。いい気味だぜ」
俺は思わず笑ってしまった。
宏美の性格の悪さが原因で離婚したのかと思ったがまさか旦那に浮気されて離婚していたとは。しかも2回も。
それだけ宏美には女としての魅力がなかったのかもしれない。
いや、一度は結婚しているのだから結婚後に宏美の性格の悪さに気付いて他の女と浮気した可能性もあるな。
どっちにしろ、ざまあだな。
「今の旦那は三か月前に結婚したばかりですね」
ノアが補足情報をくれる。
なるほどねえ。新婚か。
2回離婚した女を妻にするってことは今の旦那の方が宏美に惚れているのかもしれないな。
俺は宏美に相応しい復讐方法を考える。
魔王になった俺は人を殺そうと思えば簡単にできる力はあるがここであっさりと宏美を殺してしまっては面白くない。
最終的には俺をイジメた奴らは皆死んでもらうつもりだがその前に「生き地獄」を味わってもらわなければ俺の気は晴れない。
しばらく考えて俺はある計画を思いついた。
「よしまずは世の中、二度あることは三度あるって教えてやるか」
「どうされるのですか? 魔王様」
「新婚の旦那に浮気してもらうのさ。新婚で浮気されたら宏美もショックを受けるだろ?」
「なるほど。さすが魔王様」
自転車に乗って走っていく宏美の後ろ姿を見ながら俺はニヤリと笑う。
宏美。お前に幸せな家庭なんて持たせるつもりはねえから覚悟しろよ。
三人目の旦那にも浮気されて悔しがるお前の顔が早く見てえぜ。
俺はさっそく宏美の夫である木山義彦に浮気させる方法を考え始めた。
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