僕の前世は貴方達と共に?

@Shiiro_no_yoru

紫色ノ夜

これは、僕がK県に旅行に行っていた時の話です。

現地で友人と合流しそのままゆったりと彼の地元でもあるK県を観光案内してもらっておりました、その時は...


「ここも意外と暖かい土地だな、住むのもありかもしれない」


と心のどこかで感じるほど気に入り3泊4日という長くて短い日々の幕が開けました。


1日目...2日目...


あっという間の3泊4日...友人と楽しく過ごしたあの短い日々、忘れるはずがありません。いや...どうして忘れることがありましょうか。


その日は青空が高く気温も心地いい朝でした、まるでお日様が干したての布団を被せてくれるような...


私にとって忘れがたくも目頭が熱く日本人でよかったと思えるような出来事がその日に起こったのです。


友人はK県にある著名な戦争博物館に連れて行ってくれました、そうですねぇ...我々実はミリオt...ん゙んっ!!ゲッホゲッホ!


歴史が好きなのです、いいですか?歴史好きなだけです。


というわけでまぁ...足を運んだ訳ですな、そこに。


...中に入ると目に入るのは大きな実物のボロボロになった航空機、一階には様々な航空機の残骸が置かれておりました。そこだけでもかなりの時間が経過するのですが...本題はここからです


【2階へ】


2階にはいわゆる...特別攻撃で散っていった方々の写真や名簿、そして遺品等が展示されておりました。そこはとても静かで薄暗くもどこか力強さの感じる空間...


様々な写真がある中ふと僕は目線を感じるんです、なにか...こっちを見て欲しいと言わんばかりの目線。


「なんなんだろうか...」

ゆっくり振り向くとそこには明らかにほかの写真とは違う...どこか僕を見つめ微笑んでいるような写真が一枚。


「さっき見た時...こんな顔だったか...?」


そう、ふと感じました。初め見た時は覚悟を決めたような...勇ましいような...これぞ日本軍人といった写真だったんです。


「なぁおい、この人...こんな優しく微笑んでたか?」


僕は思わず隣にいる友人に声をかけました


「...いや、変わってないけど。微笑んでるようには見えんな」


何故、何故だ。僕には確かにこちらを見て微笑んでいるように見える...錯覚や見間違いなんかじゃない。確かに微笑んでいる


詳しく見てみるとその写真の方は僕の出身地と全く同じ県出身の方でした、その時僕は...


「...故郷に連れて帰らないと。」


そう直感し写真の前で手を合わせ心の内でこう唱えました


「お疲れ様です、僕が貴方を故郷へ送り届けます。どうか着いてきてください」


そして僕は写真から目を離し元の日常に戻ったのですがゾッとしたのはここから。


K県旅行を終えてからというものとある日本軍の部隊をよく目にするようになりました、ご関係者様方への配慮によりここでの表記は伏せておりますが...とある特攻部隊とだけ。


故郷に戻り護国神社へ向かいお参りと労いの言葉を伝えたあと一旦いつもの日常に戻るわけです。

しかし...神社から帰る時、小雨が降り木々の間からは神々しくも眩しい陽の光がシンシンと差しておりました。それはまるで歓迎してくれているような、そんな気持ちになるほどきれいな景色...まぁ帰り道に階段で転げ落ちかけたんですけど。


そして時は流れ1年の歳月が経ちます、つい最近の出来事です。とある繋がりで占いをしてもらうことがありました、その時僕は常々気になっていた"前世"についてお聞きする機会があり少し詳しく見てもらいました。


「何かは分からないけど大きな飛行機に乗ってる、日本の特攻機パイロット...かな。そんな雰囲気に感じる」


そう言われた時僕は確信しました、全てが繋がったのです。小さき頃から好きだった日本のとある双発機...K県での出来事...そしてやたらに目に入る特攻部隊......全てが繋がりました。


そして最後に言われた一言、ここで僕はゾクッと背筋が凍るような思いをしたのです。


「今ね、インスピレーションというか降りてきた言葉がある」


...それは何なんだろう、どんな言葉なのだろう


"やっと気づいたの?"


その言葉を聞いた瞬間、背筋が凍るような感覚と共に僕の肩がスゥ...と軽くなる気がしました


「そうか、僕の前世はあの写真の方達と共に」


どこか懐かしくも儚く...悲しいような気分になりました。僕の前世は本当にあの方達と共に行き共に散っていったのか、それは信じるも信じないもアナタ次第ということです。


ですが僕は信じています、あの日あの時あの場所で見たあの方たちはかつての戦友なのだと。



ここまでお読み下さりありがとうございました。

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