第3話 うぅ……ボクは……汚れてしまった……(と言っとく)
「むちゅ、くちゅ、むむぅ、ぶちゅ、ぬちょっ、ぱちゃ……」
ぐいっ。
「……とりあえずストップーー!?」
ボクはめちゃくちゃキスしてくるロリっ子の顔面を鷲掴みにして、ぐいっとボクの顔から離した。
残念ながら体は離れない。顔だけだ。
大しゅきホールド状態で手足を絡めてきてるからな、こいつ。
……いや、本当に残念だと思ってるから!?
嬉しくなんか……ない、こともない。初キスができた訳だし。
うぅ。でも、ファーストキスがいきなりディープなヤツだった件……。
もっとせつないファーストキスがしたかった。夕陽をバックに、お互い初めて同士とかで。
……そんなことは不可能だろうと知ってはいたけど!?
「はぁはぁはぁ、ご主人さまぁ~~もっときしゅしゅるのじゃあぁ~~」
「いやいやいや。おまえさっきとキャラ変わりすぎだろ……」
女の子の方があまりにもイっちゃってる感じがしたため、逆にボクはスンっと冷静になった。
何が起きたのかはよく分からないけど……なんかさっき魔族とかいうパワーワードも聞こえたし。
王城からはボクに対するハニトラはないみたいだったから……これって実は魔族からのハニトラ?
いや、それも違う気がする……そもそもハニトラいらんだろ、ボクには。
最弱の『魔物使い』なんだから。
「だいたい、その『ご主人さま』って何のプレイだよ?」
「……むむ? 特に何プレイでもないのじゃ。ご主人さまはご主人さまなのじゃ。わらわはご主人さまの『支配術式』に抵抗できなかったのじゃ」
「『支配術式』って?」
「何かの……おそらくご主人さまの能力によるものじゃ」
ボクの……能力?
それってつまり……『魔物使い』の力ってことか?
え?
まさか……ボクはこのロリっ子をテイムしちゃった感じなワケ?
「いやいや。おかしいだろ? 『魔物使い』は最弱のスライムとかゴブリンくらいしかテイムできないから強くなれないって聞いたぞ?」
「ふむ。それは確かにそうなのじゃ。なんじゃ、ご主人さまは『勇者』ではなく『魔物使い』なのじゃな? なるほど、道理で甘い匂いがすると思うたのじゃ」
「甘い匂い!?」
「『魔物使い』には魔物を誘き寄せる匂いがあるのじゃ」
……そこは合ってるのかよ。危険すぎるだろ。やっぱりボクが外で生きるのはかなりやべぇな。
でも、それじゃあなんでこの子をテイムできたんだ?
この子、ゴブリン程度の魔族なのか?
「……ええと、ボクの支配下にある魔物ってことで、いいんだよな?」
「魔物というか、わらわは魔族じゃな。サキュバスピクシーという種族じゃ」
「サキュバスでピクシーって……? 聞いただけでもうヤバいとしか……」
「そういうことなのじゃ……じゃから、のう。ご主人さま……じゅるり……」
「いやいやいや!? 小学生くらいのちっさな子はダメだって!?」
「何をゆうとるのじゃ? 小学生というのはよう分からんが、わらわは120歳なのじゃ。体は小さいかもしれんがご主人さまよりもずっと大人なのじゃ」
それ、年齢制限解除されてるやつぅぅ!?
ロリばばあじゃねーかっ!?
いや、全然ばばあには見えないけど!?
顔はちっちゃくてめちゃくちゃカワイイし!?
「つまり、問題ないのじゃ!」
「いや、待って。ちょっと待って。君はさ、ゴブリンよりも弱いってこと?」
「120年生きた魔族のわらわがゴブリンよりも弱いわけないのじゃ」
「じゃあなんでボクに……」
「それはおそらく魔力量なのじゃな。わらわの魔力をもってしてもご主人さまの『支配術式』には抵抗できなかったのじゃから間違いないのじゃ」
魔力量?
それってどういうことなんだ?
……これはすごく、重要なことのような気がする。
「魔力量で抵抗できないってどういうことか、説明してほしいんだけど……」
「むぅ。わらわはご主人さまといちゃいちゃしたいのじゃ。じゃがご主人さまの命令ならば仕方がないのじゃ」
仕方がないと言いながらもずっと大しゅきホールドのままでボクの体を触りまくってくるけどな!
それが気持ちいいとは口にしない! 気持ちいいけども!
「ご主人さま。わらわがご主人さまを『鑑定』してもいいのじゃ? ご主人さまの許しもなく『鑑定』はできぬゆえ、許しがほしいのじゃ」
「え? 『鑑定』とか使えるの? すごくない?」
チートの基本『鑑定』きましたわ。
この子、万能すぎんか?
「使えるのじゃ」
「じゃ、『鑑定』してみて」
「やるのじゃ……ふむ。やはりそうじゃの。ご主人さまの魔力量は120年生きた魔族のわらわよりもはるかに多いのじゃ……これはおそらく……」
「おそらく?」
「召喚による界渡りによって勇者には大量の魔力が与えられ、その体を強化するという話なのじゃ。ご主人さまは勇者でありながら同時に『魔物使い』なのじゃろう」
「要するにボクの魔力量ってすごく多いってこと?」
「そうじゃのぅ。120年生きた魔族のわらわよりもはるかに多いのじゃから、かなり多いと考えてよいのじゃ」
なんか……どっかの断頭台の人みたいな話だけど……。
ボクの魔力量が多いのは間違いないらしい。
ただし基準はこの『のじゃロリ』だけどな。
「つまり、『魔物使い』のテイムは魔力量次第ってことなのか……?」
「普通の人間の魔力量は少ないのじゃ。まして『魔物使い』となるような人間ではなおさらじゃ。じゃからゴブリン程度を従えるのが限界なのじゃ」
「ボクの場合は……」
「わらわを従えたのじゃから……おそらくいろいろな魔物をテイムできるのじゃ」
……それって。
全然最弱職じゃないような?
いや、むしろ……かなりチートなのでは?
「もう説明したのじゃ。では、始めるのじゃ」
「は? 何を……って!? うわっ、ダメだって!?」
「何をゆうておるのじゃ? こんなに硬くなっておるのじゃが?」
「そ、それは……」
否定できない!?
いや、〇リコンじゃないけど!? あんなにキスとかされたら!?
さっきまで賢者タイムだったはずなのに!?
これが……若さか!?
「しかも……実に甘美な香りがするのじゃ。少なくとも10分以内にご主人さまは精を放ったのではないかの? いい匂いなのじゃ……」
バ……バレてる……。さっきのトイレのことが……。
「さあご主人さま……わらわの破瓜の血を浴びてたもれ……」
「えっ……」
この子!?
処女なんだ!?
マジで!?
そんなことに驚いている隙に、ボクはロリばばあサキュバスピクシーによって30歳で聖なる魔法使いとなる未来を永遠に奪われたのだった。
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