恋だ愛だは品切れ中
ろくろわ
そこにあるけど売れないんだよなぁ
「大変申し訳ございません。そういう訳で他言無用でお願いします」
そう言って電話を切るや否や、また鳴り出す呼び出し音に
それもこれも本日のみ売り出された目玉商品。『恋』や『愛』を買い求める人が多くて、あっという間に売りきれてしまったことが原因だ。この『恋』や『愛』は比喩などではなく、あの『恋』や『愛』なのだが、まさか、こんなに売れるなんて全く予想していなかった。
秋吉は頬を叩いて気合いを入れると、俺の話を聞いてくれ!と言わんばかりになり叫んでいる受話器を取り上げた。
「はい、もしもし。こちら
秋吉は深々と頭を下げると、電話を切った。
「しかし恋だ愛だなんて、目に見えないものを買ってまで手に入れようって、皆は何を考えているんだろうな。こんなもの、わざわざ買わなくてもいくらでも手に入れることが出来るのに。皆、すぐ近くにある恋も愛にも気がつかないもんなんだよなぁ」
商品棚に並べられた中身の無い『恋』だ『愛』だと書かれている
秋吉の元には、再び愛がほしい。恋が欲しいと電話が声を上げている。
「はい、もしもし。こちら
了
恋だ愛だは品切れ中 ろくろわ @sakiyomiroku
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