鬼狩り裏譚　叛天のサクリファイス

古来より、人喰い鬼と人知れず戦う『鬼狩り』と呼ばれる者たちがいた。
四遠悠樹もその家系に生まれた一人だった。鬼狩りとなるべく幼き日から修練も積んでいた。
彼は無能だった訳ではない。勘当された訳でもない。
しかし、ある日、悠樹はすべてを失った。家も、家族も、親友も、幼馴染の少女も。
彼は失った。その命と過酷な運命だけを残して。
偶然にも出会った同じ運命を背負った少女――鳳由良と共に鬼狩りの使命を全うしながら、悠樹は過酷な運命に抗って生きていた。

そうして二年後。二人はとある学園の創立の話を知る。
近年、若手の鬼狩りの死亡率・弱体化が大きく問題視されていた。
それに対し、抜本的な教育改革を目的とした鬼狩りの育成校――『新城学園』が創立されたのである。
しかも、卒業時の最優秀者にはとんでもない特…続きを読む