第14話 妖狐様からの見返りは?(2)

「うむ、だいじょうぶじゃ、相沢翔太……。わらわの方はのぅ~」


 妖狐さまは僕との約束……。僕が彼女へとソフトワッフルを今後お供えをすれば、僕に憑りついているらしい邪悪な者……。


 そう悪霊、怨霊、妖怪と言った物の怪達を御払いして駆除……。成仏までしてくれると言った約束でね。


 僕に憑りついている物の怪が駆除できれば、僕の極度な女性アレルギーとパニック障害は完治するらしい。


 僕自身も過去に色々な出来事……。中々起きないような厄災が降りかかり、結婚も会社も辞め、一から人生をやり直したい訳だから。


 これ以上、自分の身に厄災が降りかかるのも嫌……。


 そしてこの心の病の方も完全完治をしたい思いがある。


 だから僕は神にもすがる想いではないけれど、お稲荷さまとわけだから、本当に神さまなのか、胡散臭い気もするが妖狐さまを頼ろうと、僕は決意をした。


 しかし妖狐さまのソフトワッフルの食べぷりを見れば、僕自身が本当に彼女でだいじょうぶなのだろうか? と猜疑心のある目……。


 僕はついついと妖狐さまをジト目で見てしまい。


「お稲荷さま~、本当にだいじょうぶ! だいじょうぶ! なのです、よね!」と。


 僕はまた妖狐さまへと尋ねてみた。


「……ん? しつこい男じゃのぅ~、貴様は~。わらわがだいじょうぶ! だいじょうぶじゃ! と言っておるのじゃ! だからだいじょうぶじゃ、相沢翔太!」


 僕が妖狐様へと苦笑いを浮かべつつ尋ねると彼女は面倒くさそうに言葉を返してきた。


「……それに相沢翔太、よく考えてみろ? お主は重度の女性アレルギーとパニック障害なのに、わらわが傍にいるにも関わらず心の病もでない。だから病院なるものでいただいているお薬を服用しなくてもいいように、わらわが魔除けになっているだろう、相沢翔太?」


 妖狐さまはソフトワッフルをむしゃむしゃと食べながら更に僕へと説明をしてくれた。


「あっ! 確かに!」


 僕は妖狐さまの説明を聞き、驚嘆し、納得した。


「……それとのぅ~、相沢翔太~。わらわもお主と会うのは今が初めてなわけじゃ~。それはわかるな、相沢翔太?」

「えっ! あっ、はい、わかります」


 僕は妖狐さまに問われ、返事をして納得をすれば。


「わらわも相沢翔太、お主の側にいて、貴様に憑りついている物の怪は何、なのかを? 月日をかけて調べてみんと、今の今直ぐ除霊……。悪霊退散をしてくれと言われても無理じゃ。だからわらわが相沢翔太の販売の仕事を手伝ってやる。だから相沢翔太は今後わらわを養え、わかったの、相沢翔太!」


 妖狐さまは僕に提案してきたと言うか? 今後彼女は僕の心の病の原因となっている怨霊? 悪霊? 妖魔?


 まあ、僕自身もよくはわからない、古代からと日本で言われてきた者が憑りついているから、御払いが終わるまで妖狐さまは、僕に供物を続けろと強制してきたけれど。


 これってよくある恋愛コメディのドラマやアニメ、マンガ、小説の押しかけ女房イベントによく似ている。


 女性が嫌い、女性のことが信用できない僕からしてみたら、これって大変に困る。


 でも……。


 妖狐さまの言われる通りで、彼女の容姿はどうみてもJKの少女か大学生のお姉さんぐらいの年齢……。


 僕が苦手としている女性の年齢層になるはずなのに、妖狐さまの言われる通りで僕は動機も出ないし、吐き気も生じない、身体中に発疹もでない、昔の身体……。


 そう、僕がアイツを前の会社の人事部長に寝取られNTR……。アイツの浮気が発覚して婚約を破棄した日からではないかな? 多分……。


 僕の極度な女性アレルギーとパニック障害は……。


 と考えたら?


 僕の極度の女性アレルギーとパニック障害の原因はアイツ……。元婚約者が他人と優艶に交わる姿を見たのが原因なのでは? と思う。


 と言うか? 僕自身は今まで、そう思っていた。


 しかし妖狐さまは僕の極度な女性アレルギーとパニック障害は魑魅魍魎が原因だと教えてくれた。


 また彼女が僕の側に入れば厄除けになっているのだろうか?


 先ほど妖狐さまが桜になってくれていると言うか?


 妖狐さまは神仏、お稲荷さまなのに、僕以外の人にも見えているみたいで、僕と妖狐さまが会話をしていたら。


「うわぁ~、ソフトワッフルだ~」


 僕の女性アレルギーの原因となっている若い女性の黄色い声音が、僕の耳へと聞こえてきたんだ。


 だから僕は先ほど心の中で不味いと思い。慌ててスクラムの車内に寝転がり隠れた。


「……相沢翔太、貴様……。何をしておるのじゃ?」


 僕が先ほど車内でいつものように、忍者やスパイのように隠れ身作戦を展開し、女性のお客さまに対して無視、無反応を決め込み。


 その場をやり過ごすスパイ大作戦を妖狐さまが見て、僕に呆れた顔をしながら、事態がわかる癖にわざわざ問いかけてきた。


「……お稲荷さまも知っているでしょう? 僕の極度な女性アレルギー……。僕はいつも女性のお客さまがお店に近づいたら隠れてやり過ごしているんですよ。お稲荷さま……。だからお稲荷さまも僕に話しかけず黙っていてください。──どうせ貴女は僕以外の人間には見えないのでしょうからおねがいします。お稲荷さま……」


 僕は先ほど妖狐さまに、女性のお客さまをやり過ごすまで彼女にお口にチャック……。妖狐の巫女さま、美少女フィギュア……等身大と化してくれと嘆願をしたんだ。




(お願い)


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2025年12月27日 10:00
2025年12月27日 12:00

25歳で会社を逃げるように辞めた霊に憑りつかれ易い訳ありの僕と、お狐巫女様との除霊をしながらのソフトワッフル販売で御座います! かず斉入道 @kyukon

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