第10話 妖狐様との出会い(2)
と言うか? お酒に酔った勢いで直ぐに年下……。部下と言っても過言ではない僕とラブホテルに入り、交わるような女だから、誰とでもアイツは安易にできるよ、ね。
アイツのいい訳通りの部長に対して恋愛感情は無い。只写真や動画をネタに……。
と言うか? だいたい何でそんな写真や動画をあの男に撮らしてしているんだ?
と言うか? アイツも部長との不倫の最中に、一緒に観て二人で仲良く楽しんでいたと言うことだよな?
本人は知らない。
いつ撮られたかも知らいない。
盗撮だから許してくれと泣きながら言っていたけれど。
それならば何でアイツは僕に部長に写真、画像で脅されていると告げなかった?
アイツから見たら年下の僕では頼りがない、守ってもらえないと思ったわけだから、アイツは過去の恋愛を隠すために部長と交わったと言うことなのだろうけど。
それってさ、傍から見れば、アイツもまだ部長に未練があり、年下の僕では物足りない。だからあの糞爺の老獪なテクニックとなにが恋しくなり、欲しくなり、自分の部屋に同意で誘ったとしか見えない……。
実際僕はアイツが荒々しい息遣いで嬌声を漏らし、自分で優艶に腰を振る様子を見ているから、部長に対して好意も未練もない、同意でも無い、ただ脅されただけだと言っても信用できない。
だからアイツと部長の顔を見続ける人生が嫌なのと、今後アイツ! あの女に付き纏われる人生もいだから会社も辞めた!
家の両親も今回だけは恐喝や暴行に近い感じだから沙也加さんを許してやれと、毎日のように告げてくるから。
僕は頭にきて実家も出た……。
そう当分は沙也加の件で煩い両親とも会う気はない。
もう、本当にアイツ……。沙也加のために僕の人生は無茶苦茶……。完全に破壊された……。もう僕の人生は先が見えたよ……、もうどうでもいい人生しか送れない……。女性アレルギーの方も何かの呪いのように究極の域まで酷いから、僕は今後新しい彼女を作り、結婚をすることもできない。
ああ、アイツのお蔭で本当に僕の人生は360度可笑しく、悪い者へと変わった。
だから僕は今日も元婚約者の沙也加と付き合うべきではなかったと後悔し、嘆いていると。
「頼もう!」、「頼もう~!」、「この店の店主はおらぬか?」
スクラムの天井を見詰めつつ嘆く、だけではなくて「シクシク」と今日も元婚約者への憎悪と嫉妬、殺意……。
そして未練で男泣き……。嗚咽を漏らす僕へと女性の声が! それも何だか古めかしい声がしたから。
えっ! と僕は驚嘆した。
◇◇◇
「店主、これは何だ?」
「えっ! こ、これですか?」
「ああ、これ! これじゃ! わらわに説明をしろ! 店主!」
「えぇ~と、これはですね……」と。
僕は目の前の少女──!
そう、どうみても、人ではない者の容姿……。頭にピクピクと可愛い狐の耳を装備……。銀髪の髪色に蒼い瞳が宝石みたいで奇麗……。
そして衣服はヲタクの人たちが見たら喜ぶ……。
特に夏と冬の幕張の同人即売会場の外でコスプレヤー達に混ざり立てば目立つこと間違いない銀髪の髪色した異国情緒溢れる少女……。
神さま! 女神さま! お稲荷さま! モフモフさまが巫女服姿で、御自身のトレードマークである、大変に可愛らしいモフモフした耳や尻尾をピクピク、フリフリと御機嫌良く僕に、ソフトワッフルを見て指差し、尋ねてくるから。
僕は大変に困ったな~! どうしよう~? この娘、人ではなくお化けか、妖怪、神さまのどれかだよね……?
となると?
このお狐さまはお金を御持参していない可能性があるよね?
それにさ、他人からこのお狐さまは、どんな少女に見えているのだろうか……?
と言うか?
もしかすると、この娘は妖怪等の類だから、僕以外の者の瞳に映っていない可能性だってあるよね?
僕はそう考えると?
今日もそうだけれど、僕が先ほど嘆いていた通りで、僕は今日も仕事になってはいない。
もう既に正午になっているのにまだ一万円も売り上げを上げてはいない僕だから、今日も売り上げの方が期待ができない……と、僕が嘆くと普通の人は午後や夕刻があるじゃない?
その時間に販売のお仕事をがんばればいいじゃない? がんばろうよ! と思うかもしれないけれど。
僕のようなスーパーマーケットやショッピングモール、道の駅……。イベントなどでの販売業は午前中が勝負……。正午……。13時を回れば基本物は売れなくなる……。
(お願い)
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