第9話 妖狐様との出会い(1)

 ……ん? 何か甘くていい匂いがするが、どこじゃろうか?


 妖狐さま、お稲荷さまは……。岡山県は備前市、日生町にある五味の市と呼ばれる道の駅の上空で鼻を『クンクン』と鳴らしながら思ったみたいだよ。


 そしてさ、更に上空からキョロキョロと、御自身の金色の美しい瞳を動かし、地上を注意深く探索をしながら、甘い香り……。良い香りは何処から漂ってくるのか、御自身の目と鼻を使用して探索した。


 ……ん? あれか? あの派手な色をした軽貨物自動車から甘い香りがしてくるようじゃな!


 お稲荷さまは僕の仕事のパートナー……。オートザムのスクラムを改造したシャンペンゴールドのキッチンカーを青い空……上空から見つけ、指をさし──!


 その後は「やった! やった!」と。


 お稲荷さまは上空を「カァ~、カァ~」と鳴きながら飛ぶ烏や海にいけばよくいる、飛んでいる、ウミネコたちが驚愕して落下するぐらい一人ではしゃぎ、歓喜すれば。


 彼女は慌てて僕のお店……。


 そう……。元居た会社を辞めて始めた自営業の気ままな……。


 を焼いて販売をしているスクラムのへとお稲荷さまは、善は急げ! と向かう。




「……はぁ、あぁ~。今日も暇だな、僕のお店……」


 僕は車内……。ソフトワッフルを焼く電気プレートに肩肘を当て──手に顎を乗せ嘆く悪態をつけば。


「……何で若い女性のお客さまばかりが寄ってくるのだろうか、家のお店は……」と更に嘆き。


 ぼくがソフトワッフル販売を初めてのは小さなお子さんやおばさん、おじさん……。そしてお爺さん、お婆さんなどの子供か、高齢者をターゲットにした商いだったはずなのに……。いざキッチンカーによる実演販売を始めたら。購入にくるのは若い女の人ばかりだから、超女性アレルギーの僕は、お客さまがきても販売ができずに隠れるしかないから商いにならないよ……。


 僕が思い描いていた、気ままなスローライフとは現実は違うから、今日も肩を落とし落胆をしてしまう。


 だから僕は、もう寝ていようかな? とふてくされながら思い、スクラムの車内に横たわった。


「……ああ、どうしようかな? 僕はこのままだと本当に、この車のローンやアパートの家賃……。光熱費にスマートフォン代金……。そして毎日の食費代すら用意ができなくなる不祥事に陥ってしまうよ……。だから僕は本当にどうしよう? どうしたらいい? ……本当にこのままだと僕は二十代にしてローンのブラックリスト……だけではないか? 僕は下手をすれば破産宣告までしないといけなくなる身の上へと落ちてしまう、最悪な人生を辿ることになるよ……」


 シャンペンゴールドウンコ色の派手なキッチンカーのスクラムの車内で丸くなり、横たわり、天井を眺めつつ僕は今後の人生を憂いで嘆くと。


「はぁ~、ムキになって会社を辞めずに人事部の部長を脅して、転移届だけを願い出て、アイツや人事部の部長に対してスルー……。無視し続けて出勤……。他の支店へと移動をしての一からやり直す人生を選んだ方が得策だったのかな……。まさか僕がアイツの姿を見たがために心の病……。超女性アレルギーになり、若い女性を受けつかない身体になっているとは思わなかった。もんな……。だから自分の営業能力を過信してキッチンカーの実演販売を始めたのだけれど……。はぁ~、会社の方は本当にムキになって辞めるんじゃなかったな~」


 僕はまたの後日に自分で腹を決め、決意をして会社を辞めたはずなのに後悔の募らせ愚痴……。嘆いてしまう……。


 あんな女の誘惑に負けてつき合い、婚約までするんじゃなかった……。


 あんなビッチでセフレ癖……。


 誰にでも安易に股を開くような女だと知っていたら、僕もアイツに入れ込まずにポイとすぐにゴミ箱へと捨てたのに……。





(お願い)


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