第6話 過去の不幸な記憶(5)

 だから僕は涙を流し、唸り……。


 その後部屋をとびだすようなことはしなかったよ。


 僕自身は生まれて初めての好きだった女性ひとの濡れ修羅場に出くわしてもさ、慌てて部屋から飛び出て泣きながら逃げるような弱虫ではなく。


 僕は年下のとろりとしたお坊ちゃんに沙也加は見えていたのかも知れないけれど。


 僕はアイツが考えていたよりも、自分の大事な女性ひとのためならば命だって捨てれる男……。


 そう僕の今後の人生がどうなろうとも好きな女性ひとのためならばかまわないぐらいの決断は素早くでき、行動ができる男だった。


 だから僕は二人の様子を見て、時間が経てば憎悪も湧いてくるから。


 《バチン!》


 僕はアイツと付き合って初めて、年上の元婚約者へと反抗し、逆らい。


 真っ青な顔で呆然としている沙也加の頬へと平手打ち、殴ってやった。


「きゃ!」


 沙也加の口から絶叫が吐かれ、アイツの裸体がよろけ状態が崩れた。


 しかし僕はアイツの裸体がよろけ、崩れ、ベッドへと倒れ、部長との交わりが離れようとも、僕はアイツの髪を鷲掴み、強引に糞男から強引に引きずり離し、沙也加の裸体をベットから投げるように床に落とせば。


 今度元会社の人事部だった部長に対して。


「お前~、僕の婚約者に何をやっているんだ~!」と。


 僕は唸り、吠え、奴の顔へと『ドン!』、『ガン、ガン!』と三発拳を強く入れた。


「うわぁ!」、「ぎゃぁ!」、「うげぇ!」


 奴の口から絶叫吐かれた。


「ちょ、ちょっと翔太! 翔太待ってぇ~!」


 僕が更に部長の顔へと拳を叩き込んでやろうとしたら沙也加の奴が裸体のまま僕の背後から抱きついてきて、僕が怒りに任せ振り上げた拳を押さえたんだ。


 となれば? 僕の怒りのボルテージはマックスになったかな? 


 その後のことは僕自身も余り覚えてはいないけれど。


 僕は沙也加を振り払い、蹴り。また部長を気が触れたように声をだしながら殴り。


 また沙也加が自分の裸体を挺して僕と糞の間に入り止めにきたと思うよ?


 僕に部長に対してこれ以上のことはしないでおねがいだ! と泣きながら言っていたか? 警察沙汰になる! そうなれば翔太の人生が台無しになるから辞めて! とかも言って嘆願をしてきたかな? このひとを殴るならば私のことを気が済むまで殴っていいから、頼むから辞めて、翔太おねがい! と泣きながら何度も嘆願をしてきたかな?


 そしてごめんなさい! ゆるしてください! 好きなのはあなただけなの! ただこれには深い訳と理由があって! 私自身もどうしていいかわからないし! あなたに相談するのも怖くてできなかったの! これは本当のことなの! だから信じて! 許して翔太! とも懺悔もしてきたかな?


 アイツは僕を騙して不倫をした癖にさ……。


 しかしアイツとあの糞爺が懺悔して謝罪をしようが僕の憎悪と嫉妬! 荒ぶれ高ぶった気は安易に収まるわけはないから。


 僕は結構な時間、アイツの部屋で暴れたと思う?


 だから他の部屋の人が独身女性の一人暮らしだと知っているから警察に電話……。


 僕は二人の警察官に殴られ、叩かれながら、取り押さえられた。


 だから僕は沙也加を鋭い目つきで睨み、荒々しく口調で沙也加に言ってやった。


「俺は絶対にお前等のことを許さない! 許さないからなー! 沙也加ー! だから婚約は破棄だ! お前のようなビッチ! セフレ女とは絶対に結婚はしないからな! わかったな、沙也加ー!」とね。


 沙也加の奴は僕の婚約破棄の話を聞き、呆然としながらその場でへたり込み……。


 その後は自分の顔を両手で覆い隠しながら。


「うぅ、ううう」と嗚咽を漏らし。


「ごめんなさい、翔太……」と懺悔しながら泣き始める。


 しかし沙也加がいくら僕に謝罪をして懺悔を述べようと僕の荒ぶれている、気が立っているのは収まらないから。


「離せよ! 糞が! 悪いのは俺じゃなく! 俺を騙したコイツ等だろうがー! いいから離せー! 離せよー! 糞警察がー!」


 僕は気が触れたように警察の人へも怒声を吐きつつ暴れたから、もうニ、三発殴られたかな?


 だから沙也加が泣くのを辞めて。


「私の翔太に酷いことをしないでください、悪いのは私なので本当にごめんなさい、ごめんなさい……」


 沙也加が今度は自分の身体を挺して僕を守ってくれた。


 だから僕も警察の人達へと暴れ、逆らう行為を辞めて身体の力を抜いたから、警察の人達も僕のことを力ずくで取り押さえる行為は辞めてくれた気がする?




(お願い)


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