第3話 過去の不幸な記憶(2)

 まあ、それでもさ、僕はまでは本当に幸せだったよ……。の僕を見てくれればわかる通りでね……。


 今の僕のように不幸せな顏……。様子……。


 そう何に対してもやる気を感じられない、僕の覇気のない顔、容姿ではなく、あの頃の僕は今とは正反対の夢や希望に満ち溢れ、覇気のある顔、容姿でいるように常に心掛けた。


 だからも僕は張り切って仕事をしたのだよ。次期に僕の妻になる予定だった沙也加のために僕は早く出世をしたくて堪らなかった。


 そう僕は年下の彼氏であろうとも常に沙也加アイツから、今のような何も【できない男】ではなく。


 僕は何でも【できる男】を常に演じていた。


 まあ、そんな無理ばかりをしていた僕だから、いつの間にか、何処かでボロがでていたのかな?


 でも僕の元カノさまは、彼氏だった僕のことをの前の夜も激しく求めてきた。


 そしての朝も僕の婚約者だった沙也加は優しく『がんばれ! 若人!』と背を押してくれたからね。


 に僕の許へと自殺したくなるほどのが降り注ぐと思わないから、僕は二課の課長の席……。


 僕の元カノだった沙也加の席を見続けた記憶があるよ。




 ◇◇◇



「……ん? 相沢、何か沢口課長に用事か?」

「……えっ! 俺?」

「ああ、そうだ、相沢、お前だ……」


 僕は──本当ならば沙也加が座っているはずの二課の課長の席を困惑した顔をしていたのかな?


 まあ、それでもチラチラとさり気なく見ているつもりで自分の席へと移動をしていたつもり。


 しかし同期で二課の桜場が僕の不審な行動だったのだろうか? 小首を傾げながら、自分の上司である沙也加に何か用事があるのか? と尋ねてきた。


 だから僕は驚愕して桜場に声を返し、自分か? と尋ね返したかな?


 まあ、そんな挙動不審の僕に対して桜場はニヤリと意味深に微笑みかけてきた。


 しかしの僕は先ほど説明した通りで、沙也加とのお付き合い……。恋愛の方は未だ会社には内緒で二人の結婚、挙式の日が完全に決まるまではお互いが未だ会社には報告するのはよそうと約束をしていたからね。


「えっ! 俺?」


 僕は桜場へとしらじらしく声を返し。


「……外回りから返ってきたばかりでボケて余所見をしていただけだよ。桜場……。だから何も無い、何も無いよ」と。


 僕は笑って桜場に誤魔化した記憶がある。


「ふぅ~ん、そうか? そう言うことだな、相沢……。まあ、そう言うことにしておいてやるよ、相沢……」


 僕の同期の桜ではないけれど、桜場の奴は僕と沙也加の仲に気が付いているようだから……と言うか?


 一課も二課も三課も……。営業部の者達は上司、同期、後輩も含めて僕と沙也加の関係……。


 後少しで二人はラブラブの結婚ゴールインだと気が付いていたみたい。


 だから桜場の意味深な言葉を僕の周りにいる人達は聞けば。


「わっ、はははははは」


「あっ、はははははは」


「ふっ、ふふふふふふ」


 みなさん僕を見て机を叩いたり、お腹を押さえ笑い始めるから。


 僕の口からも自然に「あっ、はははははは」と作り笑い。


 そう自分の顔を引き攣らせつつ、額や頬……。背中に冷や汗タラタラと垂らしつつ笑った記憶があるかな?


 そして僕は仲のよい桜場も含めた周りの人達へと笑い誤魔化しつつ、自分の一課の席へと移動しつつ到着すれば。


 ふぅ、どうやら僕と沙也加なの仲はみんなにばれているみたいだね、あっ、はははははは……と。


 僕は脳内で笑ったかな?


 でも直ぐに僕と沙也加は、お互いの両親の挨拶も終わっている。後は二人で式場の方は、まあ、決まっているからね。


 後は結婚の日時をしっかりと決めて、会社の支店長や各課の部長さんや課長……。課長代理や係長、主任へと報告して式場の案内を渡し、その後は部下や後輩達へと式場の案内を手渡し、よろしく! おねがい! と告げるだけでいいから。


 まあ、僕もは二人の仲が安易にばれていてもいいか? と思っいた。


 しかし、後に起こる僕への大殺界のような、悪質な出来事のことを考えると二人の深い仲は会社の人にバレない方がいいと思った。


 だがこの時の僕はそんなことを知らないから。


 僕は自分の上司や桜場を含めた営業一課! 二課! 三課! の人達へと笑い誤魔化しつつ自分の机へと移動して、もう二度と戻ることも無い机の上に、前の会社の商品サンプルを置けば。



(お願い)


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