第3話

アラーム音で目が覚める。

ちょうど燃えるゴミの日だったため、ごみ捨て場までゴミを持って行き、出勤する。

いつも通りのことなのに、頭の片隅には捨てたストラップが気になっていた。

家に帰りごみ捨て場を見ると、綺麗にゴミが収集されてなくなっていた。

少しホッとした気持ちになりアパートの扉の開け施錠する。いつも通りに私服に着替えると、扉をドンドンと叩かれた音がした。

驚いて暫くしてからドアスコープから外を覗き見る。そこにはいつも通りの風景が広がっていた。


次の日もまたいつも通り会社に出勤し、自宅に帰ろうとする。職場から車に乗り込み車を発進させるが、後ろの白い車がずっと後をついてくるのに気がつく。わざと遠回りするが、それでもついてくる。何度か同じような道をグルグルと回っていると、相手も気がついたのか途中で離れた。それを見計らい自宅に帰る。

気持ち悪いなと思いながら、洗濯物を干すとパシャリというカメラ音がどこからともなく聞こえた。周りを見るが暗くてわからない。思わず隠れながら洗濯を終わらせる。

ゆっくりしたいと思いながらテレビを付けると、自宅近くで殺人事件があったようだった。

最近はやけにパトカーをみかけるなとは思っていたが、合点がいった。

死亡したのは高校2年生の女子高生らしい。

包丁で執拗に何度か刺され死亡したようだ。

未だ犯人は逃亡中で捕まっていないらしい。

女子高生の死体発見現場の映像が流れると同時に耳鳴りと頭痛がし始めた。

まるでこれ以上テレビを見る事に対して警告をするように。

女子高生の携帯電話が何者かに現場から持ち去られたようだ。

女子高生が持っていたのと同じ機種の携帯電話が画面に映る。それはビルの隙間で見かけた携帯電話だった。

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