第三話 お風呂で披露、理科の教材キャラのヤバい特殊能力

優祐は夕食後は自室には戻らず、まっすぐお風呂場へ。

洗面所兼脱衣場で服を脱ぐと、ハンドタオルを手に取って、いつもと変わらず大事な部分は隠さずにすっぽんぽんで浴室に入る。続いて風呂椅子に腰掛けて、シャンプーを押し出した。

 髪の毛をゴシゴシこすっている最中だった。

「やっほー、ユウスケトン!」

 突然そんな声がしたと思ったら、湯船がバシャァァァーッと飛沫を上げ、中から化能蒸が飛び出して来たのだ。

「ぅおわあああぁぁーっ!」

 優祐はびっくりして思わず仰け反る。もう少しで後ろのタイル壁に後頭部をぶつけるところだった。

「遊びに来ちゃった♪」

 化能蒸は舌をぺろりと出して、てへっと笑う。

「どっ、どうやって、入って来たの?」

 優祐は当然のように驚き顔。慌ててタオルで大事な部分を隠したのち質問してみた。

「空気中、およそ二〇パーセントを占める酸素に変身してここまで浮遊して来たあと、お湯の中に溶け込んでたのだ」

「そっ、そんな能力まで、使えるのか?」

 優祐は目を大きく見開く。

「うんっ! 五人の中で、変身能力を使える設定なのは理科のこのアタシだけなんだぜ。えっへん!」

 化能蒸は自慢げに、嬉しそうに答える。

「そっ、そうなのか……っていうか、せめてタオルは巻いてっ!」

 優祐は化能蒸がすっぽんぽんだったことに今頃気付き、とっさに目を覆う。

「ユウスケトン、アタシ、アレはもう来てるけど、まだまだお子様体型だから全然問題ないのに。ユウスケトン照れ屋さんだな。じゃあこうするよ。ユウスケトン、タオル巻いたから手をのけてみて」

「ほっ、本当?」

 言われるままに、優祐は手をゆっくりと目から離した。

 本当にバスタオルが化能蒸の肩の辺りから膝の上くらいにかけてしっかり巻かれていた。

「どう? 似合う?」

「うっ、うん。それより、どうやって一瞬で?」

「さっきはアタシの体の一部をタオルの素材、ポリエステル繊維に変化させたのだ」

「そっ、そういうことか」

「酸素に変身したのもそうだけど、普通はこんなこと化学的に起り得ないでしょ。でもアタシ、物質の化学的性質とか質量保存の法則とかは完全無視して自由自在に変身出来るという設定になってるから。アタシ、当然のようにこんなのにも変身出来るのだ」

 そう告げると化能蒸はパッと姿を消して、一辺の長さ三センチくらいの立方体の形をした、銀白色の物体へと変化した。そのまま重力に逆らえず湯船の中にポチャンッと落下する。

 飛沫を上げた次の瞬間、

バチバチバチッ、ポーンッ! と破裂音を立て湯船から火花も上がった。

「うわぁーっ!」

 優祐はさっき以上に大きく仰け反る。

 ――ゴツンッ!

「いってぇぇぇーっ!」

 後頭部を後ろ壁にぶつけてしまった。

「金属ナトリウムに変身してみたよ♪ ナトリウムは原子番号11の体心立方格子構造を持つアルカリ金属元素でK殻に2個、L殻に8個、M殻に1個の電子があり電子配置は【1s2、2s2、2p6、3s1】、イオン化傾向が大きく炎色反応は黄色を示し、水と激しく反応して水素を発生させる性質などを持っているのだ。化学の勉強になったでしょ?」

 化能蒸は再び元の人間の姿に戻った。

「……ってことは、湯船の中、今、水酸化ナトリウム水溶液になってるんじゃないのか?」

「ご名答。ちなみに化学反応式は2Na + 2H20 →2NaOH + H2だよ。浸かったらお肌ぬるぬるになるよ」

 化能蒸は無邪気な笑顔で解説する。

「ご名答じゃないよ、危なくて入れないだろ」

 優祐はかなり困惑した表情を浮かべる。

「変身した量は少なかったし、そんなに濃度は高くないから安全性にはほとんど問題ないんだけどね。ユウスケトン気になってるようだから元の状態に戻しておくね」

 そう言うと、化能蒸はその水溶液中にドボォォォーンッと飛び込み瞬く間に姿を消した。

「優祐ぇ、やけに騒がしいけど何かあったの?」

 母が浴室扉のすぐそばまで迫ってくる。

「なっ、なんでもないよ」

 優祐は慌てて返事した。

「そう? ならええけど」

 母はちょっぴり不思議そうし、リビングへと戻っていく。

「ユウスケトン、中和しておいたぜ」

 化能蒸はまたさっきの姿へ。

「うわっ!」

 優祐は少し驚く。

「ユウスケトン、さっきアタシ、どんな物質に変身したと思う?」

「分かるはずないだろ」

「化学式HClの塩酸だよ。NaOH + HCl → NaCl + H20の化学反応式で表されるのだ。中和反応における基礎中の基礎知識だよ。中学の頃に習ったでしょ? ちゃんと覚えておかなきゃダメだぞ!」

「……わっ、分かった」

「そんじゃあユウスケトン、アタシ、先にお部屋戻っておくね」

 化能蒸はそう告げてウィンクし、またも姿を消した。

気体の酸素に変身したのかな?

と優祐は推測した。

それよりこのお湯、本当に、大丈夫なのかな?

 恐る恐る、湯船に手を突っ込んでみる。

 いつもの湯加減と変わりなかった。確かに元通りになっていた。

 優祐は安心して洗面器にこのお湯を掬い、シャンプー塗れの頭を洗い流す。

 そのさい、優祐の舌にお湯がわずかにかかった。

なんか、少ししょっぱい。

 優祐は少し顔をしかめる。

化学反応によって生成された食塩が、ちょっぴり含まれていたのだ。

ともあれ優祐はいつもように湯船に浸かってゆったりくつろぐ。

その最中、浴室扉がガラガラッと開かれ、

「優ちゃん、おじゃまするね♪」

 聡実がすっぽんぽんで入り込んで来た。

「従姉ちゃん、入って来るなよ」

 優祐は呆れ顔で聡実の顔面目掛けて湯船のお湯をバシャッと食らわす。

「あつぅ! もう。ぶっかけるなんてひどいな優ちゃん」

聡実はぷくぅとふくれた。

「早く出て行って」

ばっちり彼の目に映った聡実のそこそこ大きいおっぱいと恥部からはすぐに目を背けた。小六の夏頃からは実の姉ながら全裸姿や下着・水着姿にほんのちょっと性的意識が芽生えるようになってしまっていたのだ。

「今入ったばっかりやのにそれはないやろ。優ちゃん、ヌードモデルしてくれたお礼に、うちの全裸姿、じっくり観察していいよ。おっぱいも触っていいよ。でも、中に挿入れるのはもう少し大人になるまで待ってね」

 聡実は仁王立ちして、にっこり笑顔で言う。

「……」

 優祐は呆れ顔でハンドタオルを手に取り、あの部分に巻くと湯船から出て床に視線を向けたまま聡実の横を通り過ぎ、浴室から出て行こうとするも、

「ほんまは触りたいくせに、見栄張らんでも」

 背後からあの部分に巻いたタオルを奪われるや否やガシッと抱き着かれ、両腕ごと動きを封じられてしまった。聡実のおっぱいのむにゅっとした感触が優祐の背中にじかに伝わってくる。恥部のもさっとした毛の感触もお尻にじかに伝わって来た。

「見栄なんか張ってないぞ」

「優ちゃんの嘘つき。ここ硬くなって来てるやん」

さらに露にされたあの部分を右手でしっかり握り締められ、優しく揉み揉みされてしまった。

「それは従姉ちゃんがじかに触ってるからだろ。早く離せって!」

 優祐は焦り顔で体を捻って抵抗するも逃れられず。

「優ちゃん、勉強頑張りよ。優ちゃんはやれば出来るめっちゃ賢い子やねんから、努力次第でうちよりも絶対ええ成績取れるからね」

 聡実はウィンクをまじえて励ましの言葉を送ってあげた。

「余計なお世話だ。いい加減離せよっ!」

「ごめんね。もう行っちゃっていいよ」

 これにてようやく解放してもらえると、優祐は駆け足で脱衣場へ移動し浴室扉をピシャッと閉める。

 やばいっ! 出るっ!

 そしてすばやく蹲った。


 ……よかったぁ~。出ずに落ち着いてくれた。さっきのはマジでやばかった。あともう一揉みされてたら絶対……従姉ちゃんの奴め。

 寸での所で堪えてくれて優祐はホッと一安心する。聡実に対する怒りも沸いた。アレの大きさが元に戻るとゆっくり立ち上がり、洗濯籠に入った聡実脱ぎたての下着類からは目を逸らしてバスタオルで体を拭いていく。

「優ちゃん、うち今、ルノワールの『岩に座る浴女』のポーズ取ってるの。覗いてもええよ」

「……」

 最中に聡実から誘惑されるも優祐は無視。

もう一度、冷静に考えてみよう。さっき起きたことって、本当に、現実なのか? あり得ないだろ。人間の女の子が、ただの紙で出来たテキストから飛び出して来たなんて。

 そのあとパジャマを着込みながら、思い直してみる。

 

いるわけ、ないよな?

 二階に上がると、恐る恐る、自屋の扉を開けてみた。

「おかえりユウスケトン」

「優祐君、湯加減どうだった?」

「優祐さん、入浴時間から推測すると、烏の行水ではなかったようですね」

「優祐お兄ちゃん、ちゃんと百まで数えた?」

「ユウスケくん、入浴するは英語でtake a bathだよ」

 いた。さっきの五人が――彼女達の姿が、しっかりと優祐の目に映った。消していったはずの電気もついていた。州湖良の服は色鮮やかなロシアの民族衣装『サラファン』に変わっていた。

「……あのう、俺、今日は疲れてるみたいだから、もう寝るね」

優祐は若干引き攣った表情で教材キャラ達に向かってこう伝えると電気を消してベッドに上がり、布団にしっかりと潜り込んだ。

「ありゃまっ、もう寝るのか? ユウスケトン」

「優祐お兄ちゃんともっとお話したいのに。でもあたしももう眠いし、寝よう。おやすみ優祐お兄ちゃん」 

「優祐君、わたくし達が三次元化したせいで、急な環境変化に順応出来ず体調崩しちゃったのかしら?」

「そうかもしれませんよ、州湖良さん。今宵はゆっくり寝させてあげましょう」

「ユウスケくん、明日からは本格的に家庭学習指導していくよ。グッナイ!」

 こうして教材キャラ達は、それぞれのテキストに対応するテキストの中へと飛び込んでいった。

……あれは、幻覚に違いないっ!

 優祐はそう思い込むことにした。

 

      ☆


真夜中、三時頃。

「ねーえ、優祐お兄ちゃぁん」

 どこからか、とろけるような声が聞こえてくる。

「――っ!」

 優祐はハッと目を覚まし、ガバッと勢いよく上体を起こした。

「ん?」

 瞬間、優祐は妙な気分を味わう。

左腕に、何か違和感があったのだ。

「優祐お兄ちゃん」

「この、声は?」

 優祐は恐る恐るゆっくりと、顔を横に向けてみた。

「うわぉっ!」

 思わず声を漏らす。

 彼のすぐ隣、しかも同じベッド同じ布団の中に、理密図がいたのだ。

「おしっこしたいから、付いて来て」

 理密図は頬を赤らめて、優祐の左袖を引っ張りながら照れくさそうに要求してくる。

「あっ、あの……」

 俺は今、夢を見ているんだ。きっとそうだ、それ以外あり得ない。

 優祐は自分自身にこう言い聞かせる。

「優祐お兄ちゃぁん、あたし、オーバーフローして漏れそう。もう我慢出来ないぃぃ」

 理密図は今にも泣き出しそうな表情になり、全身をプルプル震わせた。

これは夢だ、これは夢だ、夢に違いないっ!

 けれども優祐は無視することに決めた。心の中でこう呟いて、再び布団に潜り込む。

ほどなく彼は二度目の眠りに付いた。


       ☆  ☆  ☆


朝、七時四〇分頃。

「うわあああああああーっ。うっ、嘘だろ……」

 美少女キャライラスト入り目覚まし時計のとろけるようなボイスアラームと共に目覚めた優祐は、起き上がった直後に絶叫した。 

 布団とシーツが、おしっこまみれになっていたのだ。

「こっ、これって……」

 優祐は布団とシーツを見下ろす。彼の着ているパジャマも、おしっこまみれだった。ちょうどズボンの前の部分が黄色いシミになっていた。もちろんにおいも併せて漂う。

どう、処理しよう。

 冷や汗を流し、深刻そうな表情で悩んでいたその時、

「優祐、どうしたの? 朝からご近所迷惑な大声出して」

「うわっ、かっ、かっ、母さん!!」

 折悪しく、ガチャリと扉が開かれ母が部屋に入り込んで来た。

「ん? 何これ? 優祐、ひょっとして、おねしょしたのぉ?」

 母は優祐のズボン前をじーっと見つめながら、問い詰めてくる。

「ちっ、違う! 断じて違うんだ母さん。これは、真夜中に、従姉ちゃんの描いたイラストの小学生の女の子が俺の布団に入り込んで来てそれで、その……」

 優祐は必死に言い訳しようとする。

「優祐、アニメの世界と現実の世界を混合するんじゃないの」

 母はくすっと笑った。

「ほっ、本当なんだって。その、あの教材の中から、飛び出して来て」

 優祐は床の上に置かれた五冊のそれを指差しながら訴えてみた。

「はいはい、いいからはよ着替えなさい。伸英ちゃんもうすぐ来ちゃうわよ」

 けれどもやはり無駄だった。母はにやにや笑いながら命令してくる。

「信じてくれよぉー」

優祐は悲しげな表情を浮かべながらパジャマを脱ぎ、下着も替えた。そして制服に着替え始める。

「優祐、それ、お母さんに貸しなさい」

「いいって、俺があとで持っていくから」

「まあまあ優祐、遠慮せずに」

「あっ!」

 あっという間に、パジャマ一式と下着を奪われてしまった。

「早めに洗濯しなきゃ、汚れ落ちにくくなるやろ」

 母はそう告げて部屋から出て、意気揚々と階段を下りていく。

 今、時刻は七時四七分。

まだ大丈夫だな。

 優祐がそう思った直後、

ピンポーン♪ 

玄関チャイムが鳴ってしまった。

「おはようございます、優祐くん、おば様、聡実ちゃん。今日は昨晩お祖母ちゃんちから届いたお野菜果物と水羊羹の詰め合わせをお裾分けするために、少し早めに来ちゃいました」

いつもより十分ほど早く、伸英が迎えに来たのだ。しかも伸英が玄関扉を開けたのと、母が階段を降り切って玄関前に差し掛かったのとが同じタイミングだった。

「おはよう伸英ちゃん、今朝優祐ね。おねしょしちゃったのよ。これを見て」

 母は嬉しそうに、伸英の目の前に黄色く変色した優祐のパジャマをかざした。

「あらまぁ」

 伸英は段ボール箱を両手に抱えたままやや前かがみになり、興味深そうにそれをじっと見つめる。

「どわああああああああっ、えっ、冤罪だぁーっ」

 優祐は慌てて階段を駆け下りながら、弁明する。

「優祐くん、恥ずかしがらなくても。たまにはこういうこともあるよ」

 伸英は柔和な笑顔でフォローしてあげた。

「あの、伸英ちゃぁん、俺、やってないから」

 知られてしまった優祐は、かなり沈んだ気分になる。

「優祐、はよ顔洗って朝ごはん食べて、学校行く準備しなさい」

 母はにこにこ笑いながら命令する。

「わっ、分かったよ」

 優祐はしょんぼりしながら洗面所へ向かっていった。

父は今日もいつも通り七時半前には既に家を出ていた。

 優祐が顔を洗っている最中、

「おはよう優ちゃん、おねしょしたんやってね。まあ気にせんとき。思春期っていうのは男の子も女の子も気を付けてても下着汚しちゃうことはよくあるからね」

 聡実は背後からにやにや笑いかけてくる。

「俺はおねしょしてないから。従姉ちゃんだけは信じて欲しい」

 優祐は悲しげな表情で訴える。

「うちは、信じてあげるよ」

 聡実は彼の心境を察したのか、爽やか笑顔でこう言ってくれた。


こんなちょっとしたハプニングがあったためか、普段より三分ほど遅れて伸英と優祐は家を出た。制服は今週いっぱいまで移行期間だが、伸英も今週初めより冬用セーラー服から完全夏用半袖ポロシャツ&夏用セーラースカートに衣替えしていた。伝統校らしく制服は男女とも古めかしいのだ。

聡実は一コマ目から講義がある日でも優祐&伸英よりも遅く家を出ている。大学まで自転車で十分少々なのだ。

もし昨日の出来事が本当のことであれば、俺はおねしょをしていない。もし夢の中の出来事であったならば、俺はおねしょをしたことになってしまう。どっちがいいんだ? この場合。

 優祐は通学路を早足で歩きながら葛藤する。

「あの、優祐くん。元気出して。おねしょのことはもう忘れちゃおう」

 伸英に優しく励まされ、

「うん、そうだね」

 優祐は穴があったら入りたい気分になった。

「そういえば優祐くん、昨日、聡実ちゃんが手作りのかわいい女の子のキャライラスト付き家庭学習教材プレゼントしてくれたんでしょ。どんな感じだった?」

「まあ、けっこう、役立ちそうな、教材だったよ。そこらの市販参考書より」

「それはよかったね。さすが阪大生の聡実ちゃんが作っただけはあるね」

「……うん」

 教材に描かれた女の子が飛び出して来たこと、伸英ちゃんに言っても信じてくれないだろうな。大丈夫? 最近疲れてない? って心配されそう。実際俺、高校受かってからますます夜更かしすることが増えて平均睡眠時間減ってるし。

 そんな理由から、優祐はこの件は伝えないことにしておいた。

同じ頃、優祐のお部屋ではモニカ、理密図、州湖良、葉月が三次元化して、部屋の中央付近に集まっていた。化能蒸だけはまだ教材内で睡眠中だ。

「リミットちゃん、bedwettingしちゃったんだね」

「ごめんなさい。暗くて、おばけが怖くて行けなかったの。優祐お兄ちゃんが帰って来たら謝らなきゃ」

 しゅーんとなっていた理密図を、モニカは優しく慰めてあげる。

「理密図ちゃん、今夜からは、おトイレ行く時わたくしが付いていってあげるからね」

「ありがとう、州湖良お姉ちゃん」

 理密図は州湖良の胸元にぎゅっと抱きついた。甘えん坊さんなようだ。

「寝小便を垂らしてわぶる理密図さん、いとらうたしです」

 葉月は我が子を見守るようにその様子を微笑ましく眺めていた。

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難関大合格を機に同居することになった才媛変態従姉がふがいない俺のために作ってくれた学習アイテムが愛情溢れ過ぎてロリ&シス&サドやばい 明石竜  @Akashiryu

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