主要登場人物

1. 佐藤 零（さとう れい） / プレイヤー名：ZERO

「白か黒か。それ以外に、この世界に価値なんてあるのか？」

属性: 主人公。引きこもりの元凄腕プログラマー。

能力: 『判定の眼（ジャッジメント・アイ）』。 数秒〜数分後の判定結果が、視界の「色」として確定して視える。

性格: 冷笑的で極度の合理主義。3年間の引きこもり生活でコミュニケーション能力は欠如しているが、数字の裏にある「人間の欲望」を読み取る力に長けている。能力の代償で日常の色彩を失いつつあり、唯一鮮やかに色付く「判定の瞬間」にのみ生の実感を得るようになる。

2. エマ（Emma） / 本名：九条 恵麻

「地獄へようこそ。ここは、数字で命を売り買いする場所よ」

属性: 謎の美女。裏の投資コンサルタント。

役割: 零を「裏のバイナリー」の世界へ引きずり込むガイド役。

性格: 常に余裕のある微笑みを崩さないが、目的のためには手段を選ばない冷酷さを持つ。実はある国際的な投資組織の「スカウター」であり、零の異能が本物かどうかを監視している。

3. 響 剛（ひびき ごう） / プレイヤー名：GO-GO

「運も実力も関係ねえ。最後に勝つのは、盤面を支配した奴だ」

属性: 零のライバル。SNSで信者を抱えるカリスマ・デイトレーダー。

能力: 『強欲の煽動（マーケット・ハイプ）』。 彼が発言したり操作したりすると、一時的に大衆の心理が偏り、意図的に相場に「小さな歪み」を作ることができる。

性格: 零とは対照的に社交的で派手好き。零の「本物の能力」に嫉妬し、自らの影響力を使って零を社会的に抹殺しようと画策する。

4. 灰原（はいばら）

「君の眼、少し濁ってきたね。……まだ視えているのかい？」

属性: 闇の取引所「ブラック・バレル」の管理人。

役割: 零に高額レートの取引の場を提供する、紳士的な老紳士。

裏の顔: かつて零と同じ「眼」を持ち、現在は完全に失明した「先代の異能者」。零に対して同情と、ある種の恐ろしい実験心を持っている。

5. 佐藤 結衣（さとう ゆい）

「お兄ちゃん、最近……なんか怖いよ」

属性: 零の妹。大学生。

役割: 物語における唯一の「光」であり、現実世界への繋ぎ止め役。

性格: 唯一、零の部屋のドアを叩き続ける存在。零が能力を使い、人としての心を失っていく過程を敏感に察知し、彼を救おうと奮闘する。

勢力・組織図

【ブラック・バレル（黒い樽）】

国家の規制が及ばないダークウェブ上に存在する裏の取引プラットフォーム。掛け金に上限がなく、金だけでなく「情報」や「寿命」「臓器の所有権」までがオプション料として取引されることもある。

【オーバーレイ】

世界中の為替操作を目論む秘密結社。異能を持つトレーダーを集め、人為的に金融危機を引き起こして利益を得ようとしている。零の能力を「完成型」と見なし、組織の核に据えようと狙う。