第20話 自己紹介ムーブ

それは、軽快なステップのトップロックから始まった。

ブレイクダンスの導入として、申し分のない立ち踊りである。


(――ブレイカーか!)


海吏は手を叩きながら、笑顔で踊る銀河を食い入るように見つめた。

クラスメイトも立ち上がって大盛り上がりをみせる。

フットワークも軽やかだ。

教室の熱気も最高潮に達した頃、銀河はラストに片手で倒立をしてフリーズしてみせた。


(ジョーダン! めっちゃ上手い!)


マイケル・ジョーダン由来のその技は、難易度こそ高くはない。

しかし、ブレイクの技としての認知度は高いだろう。

自己紹介ムーブとしては、最適解だ。

この完成度であれば、恐らくもっと難しい技もできるに違いない。


「以上!」


銀河は立ち上がってお辞儀をした。

鳴りやまない拍手と、歓喜の声が教室に響き渡った。


「あざす! あざす!」


それに応えるように、銀河も手を振り返す。


(陸叶に報告しなきゃ……峻にも!)


机の下でスマホを開いた。

まだチーム名を決めていないので、グループの名前は『ダンスチーム(仮)』だ。

海吏は、取り急ぎ伝えたいことだけ送信した。


『転入生きた!』

『ブレイカー!』

『他ジャンル踊れるかは不明!』

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