第18話 三人目、決定
峻は視線を下げたまま、フッと笑った。
もうこれは、鼓動に任せて踊るしかないだろう――。
峻は肩幅に足を開き、両手をズボンのポケットに入れた。
「
照れ隠しなのか、ぶっきらぼうに自己紹介をすると、二人から逸らすように視線を斜め上に向ける。
――そのせいで、突進してくる二人に気付く事ができなかった。
「峻ー! ありがとう! 俺めっちゃ頑張るから!」
「本当にありがとう! 良かったー!」
大型犬と小型犬に挟まれて、もみくちゃにされる。
峻の目には、ちぎれそうなほど振り回される尻尾が見えていただろう。
(まぁ、思ったより悪くはない――)
峻は、他人と深く関わるのが苦手だと思っていた。
けれど、もしかすると未経験だっただけかもしれない。
しばらくはこの不思議な感情に振り回されそうだ。
――そう思っていると、急に陸叶の動きが止まった。
「……ちょっと待って? さっき峻、
「言ったけど」
真顔でピースをする峻。
海吏と陸叶の顔がサーッと青くなる。
「あ、え、ごめん! じゃなくて、ごめんなさい!?」
「俺たちずっとタメ語で……」
慌てる二人を見て、峻にほんの少し悪戯心が芽生えた。
「いや、いいよ。俺に尊敬に値するような貫禄が無いのがいけないんだ……」
「そんなことない! ……ですよ!」
「そうだよ……じゃなくって、そうですよ!」
峻は我慢できなくなり、噴き出した。
「嘘。冗談だよ」
二人の顔が安堵する。
「今さら敬語使われても、こっちもしんどいし」
「いいの?」
「どーしても『先輩』って呼びたいなら付けてもいいよ?」
「あ、いや、大丈夫! 大丈夫ってのも何か変だけど」
海吏の慌てっぷりが面白く、ついからかってしまう。
少しの間、きっとこのネタで遊んでしまうだろう。
「しょーがねぇ。特別だぞ」
峻は、拳を二人に向けて突き出した。
次に海吏が――そして陸叶も、同様に突き出して拳を合わせる。
こうして、三人目のメンバーが決まった。
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