天才、現る

第9話 迷える二人

「結局さ、チーム組むってどうしたらいいんだろうな?」


公園のベンチに荷物を置き、ストレッチをしながら海吏が呟いた。

練習場所として見つけた公園は、かなり穴場の公園だった。

駅から繁華街を少し抜けた場所にあり、夕方はほぼ誰も使用していない。

一旦そこを拠点とし、メンバーが揃うまではお互い足りない技術を補おうという話になった。


「うーん……そういや、考えたことなかったなー」


陸叶も同様に、体を動かしながら頭もフル回転させる。

チームを組んでコンテストを目指そうと決めたものの、肝心の「どうやるか」が分からない。


「誰でもいいわけじゃないしなー」


海吏の言葉に陸叶も頷く。

目標に対して、一緒に進んでくれる仲間が良い。


「そんな簡単にうろついてねーよなぁ……どうしたらいいんだろ……」

「まぁ、何か思いつくまで、とりあえず今日の練習でもしよう」


海吏の焦りを紛らわすように、陸叶が練習を促した。

二人とも、モヤモヤを踊ることで発散するタイプなので、考える時間より踊っている時間の方が長い。

踊っている間は、当然、余計なことなど考えていない。

だからだろう。

ここ何日か同じ視線が注がれていることに、二人は全く気付いていなかった――。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る