第5話 オープン戦①
監督から課された「入学試験」の内容は得点圏の場面5打席で3打点。
1軍投手も調整期間とはいえ、皆仕上がっている。そんなピッチャー達からヒットを打つことでさえ難しい。果たして打つことができるだろうか。
いよいよオープン戦が始まった。
いきなり最初の試合の9回表に出番は回ってきた。1アウト2、3塁。相手は昨年一軍40登板の福山選手だ。
バットに滑り止めスプレーを吹きかけ、大観衆の一軍の舞台に立った。
そして投じられた初球、外角低め少し外れてボール。
「やべえ、見たというより反応できなかった…。」
そして2球目は内角低めにズバッと決まりストライク。
三振だけはしたくないという気持ちの焦りから、3球目は大きく外れるボール球を振ってしまい、カウント1-2。
(絶対にバットに当てる!)
ラスト4球目、真ん中にボールが入ってきた。
(よし、いける!)「おらぁぁ!」
ブオン…
「ストライクスリー!バッターアウト!」
「え…?振った瞬間消えた!?」
無情にもバットはボールゾーンに落ちる球を捉えることができず空を切った。
(もっと冷静になって打席に立つべきだった…。)
頭の中で反省会をしていたところに、石川がやってきた。
「よう、初打席は残念だったな!」
「まあ、そうだな。」
「バットに一回も当たらず三振とはひっでえ打席内容だ。俺は今日3打数3安打1HRだったがな。俺に勝つとかいう大口叩いてる前に実力つけてから来いや!」
何もそこまで言わんでもと思ったが、実際のところ今日の内容だとそんなに言われても何も言い返すことが出来なかった。
「くそっ!」
今日の打席では焦って振ってしまって凡退した。あと残されたチャンスは4回。絶対に打ってみせる!
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