第4話 監督から課された「ミッション」

春季キャンプでは一軍との力の差をいろいろな場面で見せつけられた。

がしかし!俺はこのオープン戦で結果を残して支配下登録へ猛アピールする!

そして今日、俺は監督に呼び出されている。

コンコンコン…がちゃ

「失礼します!!!」

「ちょっ、声がでかい!!!」

「はいっ、すいません!」

「まあいいや、そこ座りな。」

「ありがとうございます。」

「ところで中村くん、『体験入学』で少しは一軍選手の球に慣れてきたかい?」

「まあ、はい。」

「それはよかった。そこで中村くん。君に『入学試験』を受験してもらう。」

「ほう?」

「この試験に合格すれば、君を支配下登録の最有力候補にしよう。」

「でも、そんな事して大丈夫なんですか?」

「なあに、問題ない。うちは3年連続で最下位に沈んでいる。うちには何かのスパイスが必要だと思っているんだ。そこで中村君。私は君の熱く練習に打ち込む姿に心を惹かれ、ドラフトで指名した。」

「なるほど。」

「ただし、やはり起爆剤になるにはチームの雰囲気を変える一打を打つことができないといけないだろう?」

「はい…。」

「今回のオープン戦で君を代打中心で出場させるつもりだ。今回君には得点圏の場面で5打席チャンスを与える。そこで3打点以上稼いでくれたら目標クリアだ。」

「3打点ですか。」

「ああ、そうだ。ここまで努力したことを活かして頑張ってくれたまえ。それじゃよろしく。」

「はい!失礼しました!」


オープン戦で3打点か…。キャンプでも一軍選手相手に1割後半しか打てていなかったのに、大丈夫だろうか?


不安を抱えたまま、オープン戦がスタートした。

ー続くー

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