第17話 O―メソ屋―FEOH
〈お買得!! メソ 110円〉
【O―メソ屋―FEOH】
異常物質・未知との遭遇・悪質商法を指す。
登場人物紹介
PN・夕闇(男3X才)
俺だ。●●●●●県に住む。ピクシブで「夕闇」という名で数々の小説とゲームブックを投稿している。ファッションが個性的と言われる(黒のカーゴパンツに浴衣の帯をベルト代わりに使用。赤いポロシャツに黒の3角タイ(金色のアクセサリーで留めている)を着用。羽織着物をジャケットのように着ている。灰色のキャスケット帽を愛用している。長い黒髪をポニーテールにしている。俺自信も蒐集癖があり、ネット通販で様々なサイコロを集めたり、老舗ブランドのフィギュアを集めたりしている。口調はクレバーで丁寧語。
一人称はどんな時も「俺」
しばしば女子校生に間違われる。
PN・朝霧(女17才)
女子高生。何にでも興味を持つ好奇心と行動力、ずば抜けたスタイルの良さと女子力を持つ。子供っぽさと大人の落ち着いたクールさを併せ持つ。スケートボードで移動する事もある。アルビノで毛は白く目は赤い。青色のキュロット、黒色のシャツ、緑色の羽織、赤色の帽子を着ている。
プロローグ
俺、夕闇が語る………というか警告。皆さんは
よくわからないモノを売ってる
よくわからない人が経営している
よくわからない店を見つけても
決して変な冒険心をたぎらせて買い物をしようとは思わないでください。
………………………もし、買ってしまったら多分後悔するでしょう。
ストーリー
土曜日の夕方、俺達は近くの山道を散歩していた。
「夏と違っていくらでも歩けそうだナ。(夕闇)」
「運動日和だね。(朝霧)」
木々は赤や黄色に染まり、夕陽が照らす。時折吹く木枯らしが心地良い。まさに運動日和だ。時折見かける得体の知れないキノコ、よくわからない木の実、風情を感じる。
しばらく歩いていると朝霧が俺の肩をチョンチョンと叩く。
「ねぇねぇ、夕闇クン♪あんな所にお店があるよ♪見てみようよ♪(朝霧)」
「本当だ。見に行くかナ。(夕闇)」
少し森の奥にその店はあった。店の外観は温厚な魔女の家をイメージさせる。玄関の上に木のプレートが掲げられている。店の名前だろう。
「へ〜〜♪〈メソ屋〉だって♪あ!夕闇クン!看板があるよ♪え〜と〈お買得!! メソ 110円〉だって♪せっかくだからこの〈メソ〉っていうの買っていこうよ♪(朝霧)」
朝霧がはしゃぐ。え?今、朝霧〈メソ屋〉って言った?〈メソ買おう〉だと………?俺は店に入ろうとする朝霧の手をつかんで
「帰るゾ。(夕闇)」
と朝霧の返事を待たずに朝霧を引っ張って行く。
「え?え?ちょっと!?待って!?帰るから!引っ張らないで!?痛いよ!?(朝霧)」
俺は朝霧の返事を聞いて朝霧の手を離し
「なるべく早く、山下りるゾ。(夕闇)」
と、朝霧に急いで帰るよう促す。
急いで歩いていると麓に辿り着く。いくつかの団地と数軒の民家。しばらく歩けば家だ。
「ねぇ………夕闇………クン………。なんで………あの……店……見て………急………いで………帰ろう………って………いう………の…?(朝霧)」
朝霧が肩で息をしながらきく。
「あの………………〈メソ屋〉………って………………店………は………………絶………………対……に………………関わっ……………ちゃ……いけない………ん………だ………………(夕闇)」
「ちょっと………休も………………?夕闇クン………死にそうだよ………………(朝霧)」
確かこの辺りの団地、ちょっとした憩いの場みたいな所あったな。俺は朝霧にその場所を指で指して移動する。
お互いに持ってたコーラを飲んで息を整える。
「あの店は〈メソ屋〉。よくわからない奴が、よくわからないモノを売っている、よくわからない店なんだヨ。(夕闇)」
「ねぇ、さっきから〈よくわからない〉〈よくわからない〉って言ってるけど、危ないお店なの?(朝霧)」
「まず〈メソ屋〉は神出鬼没で様々な場所を転々としているんだ。だから何処に〈メソ屋〉があるかわからない。次に経営者がよくわからないんだ。移動する度に老若男女、様々なんだが1人しかいないんだ。だから人物を特定する事が難しい。そして1番最悪なのが売られている〈メソ〉だ。アレは本当に何なのかマジでわからない!!(夕闇)」
朝霧が俺の顔を覗き込む。
「わからないって………どうわからないの………?(朝霧)」
「まず〈メソ〉ってモンは生物だったり小型の機械だったり何かしらの飲食物だったり様々な姿をしていて、ソレ特有の感じになるんだが結局〈メソ〉なんだヨ……。そして〈メソ〉に何かすると何かが起きるんだ。(夕闇)」
「何が起きるの?(朝霧)」
朝霧がコーラを俺に手渡す。俺は朝霧からコーラを受け取り飲む。
「〈1億円が出て来る〉〈巨木が勢い良く生えてくる〉〈身内が突然乳幼児に戻る〉〈乳幼児が高齢者になる〉〈その場にいる全員がおならをする〉〈チュパカブラが現れてその場にいる全員が襲われて死ぬ〉〈何かしらの能力や才能がいきなり急的にレベルアップする〉〈知らないハズの何かしらの記憶を覚える〉とにかく様々なよくわからない事が起きる。最悪な事例が〈近所の人間がいきなり凶行に走り凄惨な通り魔殺人を犯す〉〈突如として癌や性病が発症して死ぬ〉〈家出た瞬間大型タンクローリーに突っ込まれて家族や近所全員が死ぬ〉〈絶滅した大型肉食生物が現れ皆殺しにされる〉〈直前まで食べてた物が実は消費期限3ヶ月過ぎていた〉〈その場にいる全員がメソになる〉ってのが知られている。(夕闇)」
朝霧が青ざめて
「ヤダ………怖い………………(朝霧)」
「買わなくて良かったろ?(夕闇)」
「うん………(朝霧)」
俺は残りのコーラを飲み干し近くのゴミ箱に投げる。しかし外れてゴミ箱の外に落ちる。すかさず朝霧が缶を拾ってゴミ箱に入れる。朝霧にジト目で見られた。
「もぅ………(朝霧)」
「ごめんて………(夕闇)」
俺達はその場を後にして家へ向かって再び歩き出す。
エピローグ
俺達は家に向かって歩いている。すると朝霧が空を見あげる。いつの間にか日は沈み夜になっていた。満天の星空と月が澄んだ空気でより綺麗に見える。
「ねぇ夕闇クン、もし今〈メソ〉に何かして何かが起きるとしたら何が起きると思う?(朝霧)」
俺も空を見上げ
「そうだなぁ。月が滅茶苦茶増えたりして?朝霧は?(夕闇)」
「全ての星が流星群みたいになったりして?(朝霧)」
「夜空に升目模様を描くように光線が走るとかは?(夕闇)」
「星と星を繋ぐように光線が走って星座がわかりやすく見えるとかは?(朝霧)」
俺達は笑いながら〈もし夜空に〈メソ〉の能力が働いたら何が起こるか?〉を想像しながら歩いて行く。
俺も朝霧もこの時、気づかなかった。
1筋の流星を。
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