第16話 A―レドニアの短剣―RAD
〈女吸血鬼の愛刀にして懐刀〉
【A―レドニアの短剣―RAD】
異常性物質・盗品・大量変死事件における物的証拠を指す。
登場人物紹介
PN・夕闇(男3X才)
俺だ。●●●●●県に住む。ピクシブで「夕闇」という名で数々の小説とゲームブックを投稿している。ファッションが個性的と言われる(黒のカーゴパンツに浴衣の帯をベルト代わりに使用。赤いポロシャツに黒の3角タイ(金色のアクセサリーで留めている)を着用。羽織着物をジャケットのように着ている。灰色のキャスケット帽を愛用している。長い黒髪をポニーテールにしている。俺自信も蒐集癖があり、ネット通販で様々なサイコロを集めたり、老舗ブランドのフィギュアを集めたりしている。口調はクレバーで丁寧語。
一人称はどんな時も「俺」
しばしば女子校生に間違われる。
PN・朝霧(女17才)
女子高生。何にでも興味を持つ好奇心と行動力、ずば抜けたスタイルの良さと女子力を持つ。子供っぽさと大人の落ち着いたクールさを併せ持つ。スケートボードで移動する事もある。アルビノで毛は白く目は赤い。青色のキュロット、黒色のシャツ、緑色の羽織、赤色の帽子を着ている。
PN・マクロベータ(男3X才)
俺と仲の良い派出所勤務の警察官。
熱く優しい真面目な警察官。
プロローグ
俺、夕闇が語る。昨今トレーディングカードゲームが物凄い盛り上がりで大流行してますね。人によって購入するシリーズも異なれば、どんなプレイをするのかさえ個性が出てきます。中には深夜にトレーディングカードショップを襲撃して沢山のカードを盗んでいく輩までいます。
俺は世界的にメジャーで歴史の永い〈ウィザード・タクティカル〉のカードを集めてますね。モンスターのカードだけじゃなくいろんなグループのカードがあって、集めるだけでも楽しいんですヨ。
ストーリー
●●月●●日●曜日深夜11時●●分頃、●●●●●県内のトレーディングカードゲームショップが強盗に襲撃された。犯行の手口は出入り口をジープのウィンチで破壊し、店内のディスプレイウィンドウをバールや金属バットで破壊した後カードを根こそぎ全て盗み去って行く様子を店の防犯カメラが一部始終を記録した。
防犯カメラの映像から、主犯と思われる20代後半の男性をはじめ、計5名が特定された。警察は近日中に強制捜査を行うと発表し、ニュースは全国に流れた。
その後、マクロベータさんが務める派出所のメンバーと地元警察が、実行犯のアジトに強制捜査に向かうことになった。ノックをするも応答はなく、ドアは施錠されていなかった。カーテンは閉め切られ、異臭が漂っている。
2階の奥の部屋に突入すると、そこには実行犯5名と親交があると思われる2人の女性の死体が横たわっていた。外傷は一切なく、争った形跡も見当たらない。死因は大量出血による失血死と判明した。
その近くには、テーブルにたった一枚のカードが神棚に置かれていた。それが、〈レドニアの短剣〉だった。
事件は静かに幕を閉じたが、実行犯達の安否は伏せられ、報道されることはなかった。
事件発生か1ヶ月後の土曜日、俺と朝霧はホビーショップでTCG〈ウィザード・タクティカル〉のカードを購入していた。
「いやぁ~、参ったナ♪ついつい沢山買っちゃったヨ♪(夕闇)」
「わかる〜♪ソレに沢山買わないと欲しいカードの当選率上がらないもんね〜♪夕闇クンはどんなカードを狙ってるの?(朝霧)」
「俺は〈ランドグループ〉を集中的に集めてるな。後はデザインの良い〈アーティファクトグループ〉カナ。(夕闇)」
「あ〜〜〜♪わかる〜♪〈ランドグループ〉って風景画みたいだから沢山集めたくなるもんね〜〜〜♪(夕闇)」
「そ♪ソレに俺はコレクト専門だからデュエルはしない。だからネイティブを購入しても対して問題無いからな♪(夕闇)」
「あ!だから読めないネイティブも沢山持ってるんだ!(朝霧)」
「朝霧はどんな目的で集めてんの?デュエル?(夕闇)」
俺の問に朝霧が顔を赤らめカードパックで顔を隠す素振りをして
「私もコレクト専門………。だって可愛いんだもん。モンスターグループのドラゴンタイプやワイバーンタイプ、リヴァイアサンタイプやワニタイプ、亀タイプやトカゲタイプに竜人タイプに恐竜タイプ。皆可愛いんだもん………♡(朝霧)」
「そ…そうか。(夕闇)」
この時俺はひいてたと思う。どこまで恐竜や怪獣好きなんだヨ………。
俺達はホビーショップでTCGをはじめとして、いろいろ購入して店を出て家に帰る。
「あ〜〜〜。いっぱい買ったな〜〜〜。購入したモン、バッグやエコバッグに入れて正解だったナーーー。(夕闇)」
「ビニール袋破けちゃうもんね。(朝霧)」
「ちょっとしたら派出所だしさ、マクロベータさんに頼んで休憩させてもらおうゼ?(夕闇)」
「さ〜んせ〜〜い♪(朝霧)」
俺達は街の店を見ながら派出所へ向かった。
「おい、コラ。ココは休憩所じゃないぞ?(マクロベータ)」
マクロベータさんが眉間にシワを寄せていた。
「もう、マクロベータさん、そんなに眉間にシワ寄せてたら梅干しみたいな顔になっちゃうヨ?(夕闇)」
「俺はオマエの顔を殴って梅干しみたいな顔にしてやりたいよ。(マクロベータ)」
「まぁまぁ、マクロベータさん?コレどうぞ♪近くのカフェで買ってきたタピオカミルクティーです♪(朝霧)」
朝霧が笑顔でマクロベータさんにタピオカミルクティーを差し出す。マクロベータさんは渋々といった感じでタピオカミルクティーを受け取る。
俺達は宣言通り、派出所へ来てマクロベータさんに頼んで奥の多目的室で休憩させてもらっている。
マクロベータさんは溜め息をついて
「ハァ………。朝霧クン………とうとう夕闇に毒されたか………。少し前まで夕闇が奇行に走ったさいの抑止力になってくれてたのになぁ〜〜〜。(マクロベータ)」
「なんだヨ〜〜〜。まるで俺が奇行をする奴みたいに言ってヨーーー!非道くネ!?(夕闇)」
朝霧が顔を青くして
「マ………マクロベータさん………?私、そんなに夕闇クンみたいになってます………?(朝霧)」
「結婚は諦めな?(マクロベータ)」
「マクロベータさん!?朝霧が俺に似てきたからって、そりゃねぇヨー!何処へ嫁に出しても恥ずかしくないだろ?朝霧は!!(夕闇)」
マクロベータさんは眉間を持ちながら
「オマエに似てきたから終わってるんだよ。ソレより、このタピオカってなんだ?ストローに詰まって飲みにくいぞ?(マクロベータ)」
「でもタピオカもミルクティーも美味しいですよね?(朝霧)」
「確かに美味いが、このタピオカってのがわからん!なんなんだ?このタピオカってのは?(マクロベータ)」
「ん?卵。(夕闇)」
「ッブフォッ!!?(マクロベータ)」
俺が答えるとマクロベータさんが思いっきり吹き出した。
「あぁ、冗談冗談♪キャッサバっていう芋の粉末で出来たモンに黒糖とか砂糖で味付けしたモンだヨ。蛙とか魚とか蟲の卵じゃないかr………!!(夕闇)」
マクロベータさんが思いっきり俺の顔をぶん殴る。
「オマエ!!なんちゅーたちの悪い冗談を!!?半分吹き出したじゃないか!!(マクロベータ)」
「そんな怒んないでヨーーー!?(夕闇)」
朝霧がジト目で
「夕闇クン?ソレを奇行って云うんだよ?(朝霧)」
「………マ?(夕闇)」
「マ。(朝霧)」
マクロベータさんが頭を掻きながら
「………おい、ココ数年チャラチャラした若いモンがよくそういうやりとりしてるがその〈マ〉ってなんだ?(マクロベータ)」
「えっと、本気(マジ)。略して〈マ〉。(夕闇・ 朝霧)」
俺と朝霧は口を揃えて答える。
「マジか………。(マクロベータ)」
「マ。(夕闇・朝霧)」
秋の日差しが部屋に注ぎ、派出所の入り口から木枯らしがたまに入り込む。
俺達はいつしか普通にくつろいでいた。
「そういえば小百合さんと山岸さんは?アレからどう?(夕闇)」
「2人とも前向きに頑張ってるよ。小百合さんの両親も穏やかな生活を取り戻しつつある。(マクロベータ)」
「良かった………。ね?夕闇クン?(朝霧)」
「あぁ、心から安心したヨ。(夕闇)」
小百合さんと小百合さんの両親、山岸さん。小百合さんが〈憧れは理解から最も遠い感情(過去作〈M―憧れは理解から最も遠い感情―FEOH〉参照)によって救われた事がキッカケで両親も山岸さんも心から救われた。本当に優しい怪異だったナ。
「そういえばオマエ等、〈ウィザード・タクティカル〉っていうトレーディングカードゲーム知ってるか?(マクロベータ)」
マクロベータさんから思わぬ質問が出て来た。
疑問には感じたが俺達は無邪気に答える。
「あぁ、知ってるヨ♪はじまりのトレーディングカードゲームって云われる位歴史あるTCGだろ?俺達もついさっきホビーショップで沢山買ったんだヨ♪(夕闇)」
「バトルしても良し、コレクションしても良しの最高のTCGですよね♪私達も沢山集めてるんですよ♪(朝霧)」
「そうか………。(マクロベータ)」
マクロベータさんは目を閉じひと息つく。え?何?その明るく無邪気に答える子供を見るようなその感じ?
「マクロベータさんから、そういうの言うなんて珍しいじゃん?どしたのさ?(夕闇)」
「オマエ等は1ヶ月前のTCGショップ強盗事件、知っとるか?(マクロベータ)」
「えぇ、頻発するTCGショップ強盗事件の中でもとりわけ手口も被害も凄い事でしばらくニュースやワイドショー、ネットのニュースでも取り上げられてましたね。(朝霧)」
「ウィンチでシャッターぶち破られたら、たまんねぇよナ。その後、どうなったんだヨ?なんか静かに幕を閉じた感じになったケドさ。(夕闇)」
マクロベータさんはひと息ついて答える。
「実は俺達、派出所のメンバーも駆り出されてな。犯人のアジトが車で少し行った所にあったんだ。(マクロベータ)」
「ハァ!?(夕闇)」
「ヤダ………怖い………。(朝霧)」
するとマクロベータさんが微笑し
「なぁに朝霧、何も恐れる事は無いさ♪(マクロベータ)」
「え?私今、呼び捨てにされた!?(朝霧)」
「ていうか、犯人捕まったのか?だったら安心だナ♪(夕闇)」
「いや、容疑者5名と主犯の交際相手と言われている女性2名が死体で見つかった。(マクロベータ)」
は?今容疑者と主犯の交際相手の女性2名が死体で見つかったって言った!?
「ソレどういう事さ!?(夕闇)」
「実は俺達警官がアジトに駆け込んだ時には容疑者達は全員奥の部屋の中で死んどった。外傷は無し。自殺の痕跡も無し。病死の線も無し。なんなら容疑者達を知る人々の証言はみんな〈無駄にテンション高くて元気な野蛮なDQN〉って言ってたな。(マクロベータ)」
文字通りの怪死ってヤツか。
「あのマクロベータさん?現場には何か怪しい物とかあったんですか?(朝霧)」
「おぅ、あったぞ。怪しいモン。(マクロベータ)」
「え!?あったの?怪しい物!?(夕闇)」
マクロベータさんは職場へ行きデスクから操作ラベルの貼られた密閉袋を取り出す。そして俺達がいる部屋に戻って来てテーブルに置く。
袋の中に入っていた物、ソレは裏面は茶色に黄色い文字で〈WITHERED・TACTICAL〉とロゴが書かれている。表面はトレーディングカードらしいデザインで上部分に赤い満月を背に顔色が悪く、耳が長く尖った女性剣士がナイフを持ち、赤い刃を不敵な笑みを浮かべて舐めている絵が描かれていた。タイトルや文章が書かれているが英文で書かれている為まるでわからない。
しかし、朝霧がタイトルを見て
「………レドニアの短剣?(朝霧)」
英文のタイトルを読み上げた。流石、現役学生。
「え!?〈レドニアの短剣〉!?あの〈レドニアの短剣〉か!?(夕闇)」
「うん。信じられないけど、このカード、まさにあの〈レドニアの短剣〉よ。(朝霧)」
「おい、その〈レドニアの短剣〉ってなんだ?たかがカードだろ?そんなに珍しいのか?(マクロベータ)」
「TCGウィザード・タクティカルのカードの1つ〈レドニアの短剣〉。デザインの良さとゲームのパワーバランスを簡単に破壊しうる可能性から公式が使用禁止に指定した激レアなカード。世界に20枚しか無いっていわれているまさに伝説のカードなんだヨ。(夕闇)」
「このカードを売れば欲しい物なら豪邸でも国家権力でもなんでも手に入る程の価格のお金が手に入る事でも知られているんです。まさに現代の埋蔵金みたいなカードなんです。(朝霧)」
「ハァ!!?道理で部屋のテーブルの神棚に飾ってあったワケか!!(マクロベータ)」
「なんか犯人達の気持ちわかるわ。(夕闇)」
「私も。(朝霧)」
マクロベータさんが顔を青ざめて立ち上がりテーブルから後ずさる。
「アレ?でもコレ………本当にあの〈レドニアの短剣〉なのかなぁ?なんか違うような………?(朝霧)」
「だが、そのカードは〈レドニアの短剣〉って言ったのは朝霧、オマエだろ?何が違うんだ?(マクロベータ)」
「やっぱり私の事呼び捨てにしている!!(朝霧)」
俺は袋に入った〈レドニアの短剣〉カードをじっくり見てみる。確か〈レドニアの短剣〉のデザインは変わってないから同じハズだ。
裏面は茶色に黄色い文字で〈WITHERED・TACTICAL〉とロゴが書かれている。表面はトレーディングカードらしいデザインで上部分に赤い満月を背に顔色が悪く、耳が長く尖った女性剣士がナイフを持ち、赤い刃を不敵な笑みを浮かべて舐めている絵が描かれていた。タイトルや文章が書かれているが英文で書かれている。
うん………?もしかしたら………コレか………?いや、間違い無くコレだ。
「そうだ。確かに少し違う。確か〈レドニアの短剣〉のイラストは短剣の刃の色は銀色だったハズだ!だが、この〈レドニアの短剣〉の短剣の刃の色は赤色。コレは〈レドニアの短剣〉は〈レドニアの短剣〉でもあの伝説の〈レドニアの短剣〉かも知れないゾ!?(夕闇)」
「あん!?このカードにまだ逸話があるのか?(マクロベータ)」
「あの伝説って?(朝霧)」
「あのさ、マクロベータさん、このカード、袋から出して良い?(夕闇)」
マクロベータさんはやや戸惑いながら
「まぁ碌でも無いモンみたいだし、良いだろう。(マクロベータ)」
「碌でも無いから出しちゃ駄目なんでしょ?(朝霧)」
俺は袋からカードを取り出し、カードで腕を斬りつけるようにサッと動かす。
「やっぱり。見てよ、この腕。(夕闇)」
俺は腕を朝霧とマクロベータさんに見せる。
「ゆ…夕闇クン!?何よ!?切れてるじゃない………って、アレ?(朝霧)」
「オマエ!事件の遺留品で何をしているんだ!!あ〜ぁ、ただでも貴重なモンなんだろ?しかも事件の遺留品を!!あ〜こんな紙製品に血がついたらどうしようも………ない………ぞ?あ?(マクロベータ)」
「そう、確かに俺はこのカードで腕を斬りつけた。普通の紙製品やカードでもそんな事したら場合によっては皮膚が切れるだろ?しかも今季節は秋。空気が乾燥していて皮膚は切れやすくなっている。しかし、俺の腕には傷跡はあるケド血は今になって滲み出ている。そのカードに血ついてる?(夕闇)」
「ついてない。(朝霧・マクロベータ)」
「実はこの〈レドニアの短剣〉には都市伝説みたいな話があってね。ソレは通常の〈レドニアの短剣〉とは違い刃が赤色の〈レドニアの短剣〉は周りから傷を与える事無く血を吸うっていうモノなんだ。そして吸血する〈レドニアの短剣〉は普通の19枚の〈レドニアの短剣〉と共に世界中を転々としているし、外見の違いも微妙だから解りにくい。しかもこの都市伝説も余り信じられてない。だから今回みたいな怪奇現象を防ぐ事も出来ない。本当に恐ろしいんだヨ。この異常性を持った〈レドニアの短剣〉は。(夕闇)」
「なんてこった………。まさかそんなモンがあるなんてな………。(マクロベータ)」
「本当に吸血鬼みたい………。(朝霧)」
「こんな危ねぇモン、今すぐ処分だ!!燃やすぞ!!(マクロベータ)」
俺と朝霧は必死でマクロベータさんにしがみついて止める。この人力強過ぎ!!ゴリラじゃん!?
「オークション価格を考えると、下手にそんな事したらどうなるか予想がつかないヨ!?(夕闇)」
マクロベータさんはカードをテーブルに置き
「どうする事も………出来ないのか?(マクロベータ)」
「夕闇クン………(朝霧)」
「このカード、ひとまず印刷して本物のカードっぽくしてマクロベータさんが管理する。そして本物は俺が管理する。コレならどう?俺もコレ以上このカードによる被害者を増やしたく無いからさ。(夕闇)」
マクロベータさんは溜め息をつき
「わかったよ。そうしよう。じゃあ、印刷して偽カード作ってくるから待っててくれ。(マクロベータ)」
「ありがとう。ちゃんと管理するヨ。(夕闇)」
マクロベータさんはカード袋に入れて持って行った。
「夕闇クン、あのカードどう管理するの?(朝霧)」
「この間の〈チェス駒セット〉に最初にした事をする。(夕闇)」
「小さな鉄金庫に入れて地下深くに埋める?(朝霧)」
「ソレしか管理方法思いつかないヨ。(夕闇)」
「そうだね………(朝霧)」
しばらくすると職場からドタドタと足音が響いてくる。マクロベータさんだ。鬼気迫った表情をしている。
「どうしたのさ?血相変えて。何かあったの?(夕闇)」
「大変だ!!カードが!!〈レドニアの短剣〉カードが!!少し目を離した隙に!!盗まれた!!(マクロベータ)」
「えぇーーーーーーーーーーーー!!?(朝霧)」
「何やってんだアンターーーーー!!?(夕闇)」
呪われたカードは再び世界を歩き出す。
エピローグ
とある所、とある1室、とある時間。青年が1人いた。
「ふひひひ………!まさか…あんな所でこの〈レドニアの短剣〉をお目にかかれるとはなぁ。おおかた1ヶ月前のTCGショップ強盗事件の遺留品なんだろうなぁ。なんかこのカードを印刷してたみたいだが、ちょっと警戒心欠けてたなぁ。まぁ俺はこうして運良く〈レドニアの短剣〉を手に入れる事が出来たからなぁ。他の奴等の事なんか知らねぇなぁ。ふひひひ………!」
青年は醜悪な笑みを浮かべる。しかし青年は唐突に倒れ込む。
「………?なんだぁ?急にフラフラしやがる………。なんか………寒気もしてきたなぁ………?なん………だぁ………?コ…レ……はぁ………………………?」
部屋の中、青年の意識は1人誰にも知られずに冷たい暗闇の中へ沈んでいく。
「………あぁ………、頭ん中…が………ま………しろ……に………………なってく………き…ぶ…ん…だ……ぜ………………………」
とある所、とある1室、とある時間。警官達が集まって部屋中を捜査していた。部屋の住人の男性が死んでいるのが見つかった。発見者は住人男性の両親。真っ当に生活しているか様子を見に来たら息子が死んでいたという。
部屋のテーブルには英文で書かれたトレーディングカードが1枚置かれていた。
タイトルは〈レドニアの短剣〉。
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