第29話 地方都市再び・リードと魔力渦の最終調整編

王都での謎の魔力波動が一応収束した翌日、リードは再び地方都市ルンフェルドへ呼び出された。

「……やれやれ、平穏はやっぱり短いな」

リードは杖を肩にかけ、ミリィとともに馬車に揺られる。ミリィは肩越しに小さくため息をつく。

「リードさん、今回は最終調整ですよ……」

「……まあ、少しでも街を守れるなら仕方ない」


街に到着すると、森や王都での魔力余波が再び街に影響を及ぼしていた。小型魔物が道を飛び交い、商品や家具が宙に浮き、市民たちは大騒ぎだ。


「……またか」

リードは杖を振り、浮遊物や魔力渦を穏やかに整える。市民たちは安堵し、ミリィも肩越しに笑う。


今回は「魔力渦の最終調整」が任務である。街全体に広がる魔力の渦を、リードがひとつひとつ丁寧に吸収・安定化させる必要があった。


「……やっぱり、平穏は簡単には訪れないな」

リードは杖を軽く振り、魔力渦を制御するたびに小さな光の渦が街を彩る。小型魔物も大人しくなり、街は徐々に整っていく。


途中で若者たちが再び“小さな革命”を起こそうとするが、リードは軽く魔力で制御し、街の混乱は最小限に抑えられる。


「……これで、今日の平穏は守れたか」

ミリィは肩越しに笑い、リードも微笑を浮かべる。街の人々は感謝の声を上げ、若者たちも少し呆れた表情を見せる。


「……やれやれ、やっと少し落ち着けるか」

リードは杖を握り直し、街の平和を確認する。しかし、彼の心は静かに畑のことを思い浮かべる。スローライフの願望は変わらず、今日も平穏は短いが、守るべきものは守れた満足感があった。


「……平穏は束の間でも、少しずつ取り戻せればいい」

ミリィは小さく笑いながら肩越しに言う。

「リードさん、少しだけ達成感ありますね」

「……少しだけな」


こうして、地方都市での魔力渦最終調整は成功し、リードは束の間の平穏を取り戻す。しかし、平穏の時間は長くは続かないことを、彼は薄々感じていた。



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