第19話 新たな依頼人と奇妙な契約編
穏やかな朝、リードは畑で作物の手入れをしていた。太陽の光が土に反射し、鳥のさえずりが心地よい。
「……やっぱり、畑は落ち着くな」
ミリィも嬉しそうに飛び回る。しかし、今日も平穏は長く続かなかった。
畑の入り口に、豪華な服装の依頼人が立っていた。
「リード・フェルンガルト殿ですね。お目にかかれて光栄です」
依頼人は腰に小さな巻物を提げ、まるで重要任務を持参したかのような威厳を漂わせる。
「……また何か用か?」
リードは杖を握りながら警戒する。平穏な畑に突然訪れた訪問者に、少しだけ緊張が走る。
依頼人は得意げに巻物を広げ、契約書のような文面を見せる。
「これは特別な契約です。貴殿の魔力を一時的に貸していただき、森周辺の魔力異変の監視と制御に協力していただきたいのです」
リードは眉をひそめる。
「……また森か。俺は畑で静かに過ごしたいんだけどな」
ミリィも小さくため息をつく。
「リードさん……やっぱり、平穏はすぐに壊れますね」
依頼人は契約の内容を説明し、報酬として「畑用の特別肥料」と「畑仕事の補助魔法アイテム」を提示する。
「……なるほど、これは畑にはありがたい」
リードは一瞬考え、微笑を浮かべる。
「……よし、条件次第なら協力してやるか」
こうして、奇妙な契約が成立する。しかし、契約内容はいたってシンプルではなく、依頼人の意図もどこかずれている。魔力制御の範囲や方法、報酬の受け取り方など、リードにとってはツッコミどころ満載だ。
「……なんだか、ドタバタになりそうだな」
リードは杖を軽く振り、契約書を小さな魔力の渦に巻き込んで安全に保管する。
ミリィは肩越しに笑う。
「リードさん……また騒動が始まりますね」
「まあ、少しだけ楽しみながらやるさ」
リードはそう言って、畑の作業に戻りつつも、契約による新たな騒動の始まりを心の片隅で覚悟するのだった。
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