第20話 森監視任務・リードの予想外の奮闘編
契約に基づき、リードは再び森の入口に立っていた。
「……まあ、少しは森に顔を出すくらいならいいか」
ミリィが肩に止まり、木漏れ日の中で嬉しそうに羽を羽ばたかせる。
今回の任務は「森の魔力異変を監視し、異常があれば制御すること」。
表向きは簡単そうに聞こえるが、過去の経験から、リードはその“簡単そう”がどれほど危険かを知っていた。
森に入ると、早速小さな魔力渦があちこちに出現していた。
「……やれやれ、さっそくか」
リードは杖を軽く振るだけで、渦は穏やかになり、周囲の小型魔物たちも静かに地面に降りる。
しかし、その直後、森の奥から大きな魔力の波動が襲いかかる。
「……なんだ、これは!」
冒険者ギルドから同行していた数名は、思わず後退。だがリードは冷静に杖を構える。
「まあ、俺にとっては日常の範囲内だな」
リードが魔力を流すと、暴走する渦は空中で踊る光の演出となり、まるで森が魔法の舞台に変わる。ミリィは肩越しに楽しげに笑う。
その瞬間、森の奥から奇妙な声が聞こえた。
「ここは……誰だ!」
どうやら、森の異変に絡む別の勢力――小規模な魔力探究団が現れたらしい。彼らもリードの膨大な魔力を目当てに接近してきた。
「……ああ、また巻き込まれるのか」
リードは肩をすくめつつ、杖を軽く振る。光と風が渦を作り、森全体の魔力を一度に制御。探究団はびっくりして逃げ惑う。
「……やっぱり、俺の平穏は簡単には訪れないな」
ミリィは肩越しにため息。
「でも、リードさん、こうやって森の平和を守るのも、少しだけ楽しいですよね」
「……まあ、少しだけな」
任務を終えた後、森は再び静寂を取り戻す。リードは杖を下ろし、軽く土を触る。森の魔力異変は落ち着いたが、外の世界ではまだ小さな騒動が次々と待ち受けている。
「……今日も平穏は束の間か」
リードは微笑みながら、森を後にする。スローライフの願望は変わらないが、現実は今日も彼を試すのだった。
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