第17話 森での魔力異変・リードの巻き込み大作戦編
地方都市ルンフェルドの森。その木々の間に、不穏な魔力が渦巻いていた。
「……どうやら、今回も騒動は避けられないみたいだな」
リードは杖を手に、森の入口に立つ。ミリィは少し緊張しながらも肩に止まる。
同行するのは、国の使者と冒険者ギルドの数名。彼らは魔力の異変を確認するために派遣されていたが、リードの膨大な魔力を目の当たりにし、自然と後ろに下がっている。
「リードさん……一体どれくらい強いんですか……?」
若い冒険者が小声でつぶやく。
「……見ればわかるだろう。俺の魔力、計測不能だからな」
リードは肩をすくめ、森の奥へ歩みを進める。
森の中に入ると、魔力の暴走が目に見える形で現れた。木々が光を帯びて揺れ、小型の魔物が空中で翻弄されている。さらに、時折小さな魔力の渦が地面から出現し、足元を危うくする。
「……ああ、やっぱり面倒なことになってるな」
リードは杖を軽く振ると、魔力の奔流が渦を包み込み、穏やかに落ち着かせる。魔物たちも不思議そうに見上げ、静かに地面に降りる。
しかし、森の奥には、魔力渦の中心となる大きな樹があった。樹の根元から、強烈な魔力が周囲に広がり、通常の魔法では制御不能。リードの膨大な魔力でも慎重に扱う必要がある。
「……ここが原因か」
リードは杖を構え、魔力をゆっくりと樹に流し込む。その過程で、暴走する魔力が空中で踊り、冒険者たちは思わず目を見張る。
「うわっ! リードさん、見てください!」
光の奔流が森全体を包み、まるで魔法の舞台装置のように光と風が連動する。ミリィも驚きながら、思わず笑う。
リードは軽く笑みを浮かべながら、魔力の制御を続ける。数分後、魔力渦は完全に鎮まり、森には穏やかな光が戻る。
「……ふう、やれやれ」
リードは杖を下ろし、冒険者たちを見渡す。彼らは興奮と畏怖の入り混じった表情だ。
「リードさん……本当にすごいです……!」
「いや、ちょっと手加減しただけだよ」
リードは肩をすくめ、微笑を浮かべる。ミリィも肩越しに笑う。
だが、森の平穏も長くは続かない。遠くで別の魔力波動が検知され、次の事件が迫っていることを、リードは直感で感じ取る。
「……やっぱり、俺のスローライフは永遠には続かないな」
リードは杖を握り直し、森を後にする。しかし、その口元には、ほんの少しだけ楽しげな笑みが浮かんでいた。今日もまた、ドタバタな日常が彼を待っているのだった。
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