第12話 盗賊団の陰謀・リードの力試し編
ルンフェルドの街外れ。塔での魔力渦巻き事件を目撃していた盗賊団が、ついに行動に出た。
「よし、今回こそあの平民の力を手に入れるぞ!」
黒いマントのリーダーが気合を入れるが、他のメンバーは明らかに緊張と小心さで手足が震えている。
「……でも、あの人、普通の平民じゃないって聞いたよ?」
「大丈夫だって! 俺たちならきっと……」
一方、リードは畑でゆったりと野菜の手入れをしていた。鳥のさえずりが耳に心地よく、魔力を少しずつ畑の土に注ぎ込む。
「ふう……やっぱりこれだよな」
しかし、空気が微妙に揺れ、魔力の小さな波動が感じられる。リードは目を細め、杖を手にする。
「……また誰か来たみたいだな」
盗賊団は派手に登場するが、計画性はゼロに近い。彼らの魔法は暴走気味で、互いにぶつかり合い、塔の残滓を求めて右往左往。まるでコメディのような騒ぎだ。
リードは軽く杖を振る。瞬時に盗賊団の魔法を吸収し、街中の光景はまるで魔法の舞台装置のようになる。
「……まあ、こうなるだろうな」
ミリィは肩で息をしながら笑う。
「リードさん……やっぱり、こういうのが日常ですよね」
「日常っていうか……俺の平穏はいつもこうやって崩れていくんだよ」
盗賊団は全力で抵抗するものの、リードの圧倒的な魔力の前にはあっという間に力尽きる。爆発的な魔法も、畑の土に吸収されて無害化される。
「……ちょっと手加減してやっただけだよ」
リードは冗談めかして言うが、盗賊団のメンバーは完全に茫然自失。
「まさか……こんな平民に……!」
リーダーが叫ぶが、その瞬間、リードは小さく笑って杖を振り、盗賊団を軽く宙に浮かせて安全な場所に落とす。
「……やれやれ、やっぱり畑に戻るしかないな」
ミリィはため息をつきながらも、リードの肩に飛び乗る。
その後、盗賊団は街の噂として広まり、リードの「平民なのに超魔力持ち」という伝説はますます肥大する。街の人々は歓声を上げるが、リード自身は、再び土の匂いに包まれて一息つく。
「……やっぱり、スローライフって簡単には手に入らないな」
だが、その口元には微かな笑みが浮かんでいる。平穏は遠くても、リードは今日も静かに、そしてちょっとだけ楽しみながら日常を生きているのだった。
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