苛烈する炎上

 渦中の人物はヨミカキ運営公式VTuber、黄泉ヨミ 牡蠣カキ子。彼女は公式SNSに『もじ磨呂chat ver.Ⅱ』のアプリアイコンを映した写真を投稿し、

「自分らは好き勝手つかって書くけど審査員にはつかっちゃダメなんだね、へー (原文ママ)」

とつぶやきを添えたのである。


 つぶやきは即時削除されたものの、これが火に油を注いだ。AI審査に反対する書き手ユーザーを揶揄し批判しているような内容に、黄泉 牡蠣子とヨミカキ運営へ非難が集中したのだ。

 さらに黄泉 牡蠣子のが地下アイドルグループ『にゃんQ10きゅーと♡』の“猫魔るる”ではないかという憶測がネット上で飛び交い、特定班による執拗な晒し行為や誹謗中傷が相次いで、『ヨミカキ!』運営会社と猫魔るるの所属事務所とが連名で声明を出す事態にまで発展した。


 ネットの盛り上がりは留まることを知らず、『ヨミカキ!』運営側が『司書Chatbot』で“AI審査”という語群をセンシティブ用語に設定し、ユーザーからの質問に解答しないようにしているという疑惑まで浮上した。

 SNSではついに「# ヨミカキ辞めます」がトレンド入りし、事態はまさに泥沼化していったのである。


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る