作者補足

本作『閉じ子の伝説』なるショートエピソードの原案は数十年前の着想に遡り、今般、完結させた長編ホラーミステリー『息霊ーイキリョウー』(本サイトでもホラージャンルで完結作品として公開中)のワンエピソードとして原題のまま挿入するまで、未公開・未使用作品群にストックしてありました。


『息霊ーイキリョウー』は大地と人の定めという切り口で、土着感を前面に押し出し、ミステリー色をちりばめた自分的には入魂作な訳ですが、そこでは作品構成上のおどろおどろしさを脚色したかったので、”閉じ子”となる自己犠牲を孕む成り立ちは、今回アップした単体オリジナル版とは根底を変えています。


故に、『息霊ーイキリョウー』の挿入話版は、双子谷となっている当該集落では、元来雪深く山々に閉ざされた寒村なので、外部からの血が入らず、その結果、血が濃い縁続き間で生まれた子孫の中には障害児が多かったと…。


その上で、極貧生活下の村民は日本を形作造った火山の中心に暮らす自覚からこの国を切り裂かれないように火の神へ生贄を供する風習ができた要因に、障害を持つ役立たずの始末とすり変えた側面を盛り込んだわけでして…。


なので、オリジナルの閉じ子誕生のプロセスが持つ意味合いが大きく違っています。


加えて、『息霊ーイキリョウー』の中では、大地と無意識下の意識が交わした定めを享受する主人公の若い男女の”現世での”顛末を、一挿入エピソードの設定にほぼ準じており、物語上では結末の重要な位置づけにそのままなぞったストーリー展開を誘引しています。


よろしかったら『息霊ーイキリョウー』に挿入した”閉じ子の伝説”のパートと読み比べていただければと。





えすとる

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真説・閉じ子の伝説 えすとる @satoru1269

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