第11話
俺の目の前に、いくつもの光の球が出現する。それはバルカスが持っていた「すべて」だった。
1. 略奪報酬:バルカスの遺産
俺が手を伸ばすと、光は吸い込まれるように俺の中へ消えていった。
【魔力徴収】: バルカスが蓄えていたDランク相当の魔力を完全吸収。俺の魔力総量は以前の十倍以上に跳ね上がった。
【所有権の遷移】: バルカスが使っていたリザードマン、スケルトン・アーチャー等の「種族データ」を獲得。これにより、俺は本来のテイマーとしての枠を超え、彼らの種族も召喚・使役可能となった。
【所持金の略奪】: 敗者が貯蔵していた「DP(ダンジョンポイント)」の全額奪取。
2. 魔神からの特別褒美:二つ目の核(コア)
さらに、魔神が指を鳴らすと、俺の眼前に一際大きな、どす黒い輝きを放つクリスタルが浮かび上がった。
「下位の者が上位を討った例外的事例だ。貴様にはこれを与えよう」
【仮設ではない、本物の『第二ダンジョンコア』】: 通常、一人のマスターに一つしか許されないダンジョンコア。これを二つ持つということは、「二つの拠点を同時に運営する」、あるいは**「一つの拠点に二倍の魔力源を持つ」**ことを意味する。
3. 称号とステータスの変貌
【称号:下剋上を成す者】 を獲得。 この称号により、今後自分より格上の相手と対峙する際、配下全員のステータスに補正がかかるようになる。
俺の頭上に浮かぶ文字が、書き換えられていく。 【ランク:D(暫定)】 【職能:使役する者(テイマー・ロード)】
「あるじ、体が……熱い」 俺の肩で、リムが銀の流体を波打たせている。 進化した配下たち――アイギス、シャドウ、エコー、ヴォルフ。彼らもまた、バルカスの魔力を糧にして、その存在をより強固なものへと定着させていた。
「おい、見たかよ。Fランクがあのバルカスを消しやがった……」 「しかもコアを二つだと? 冗談じゃねえ、あいつもう同期の中じゃトップクラスなんじゃね?」
周囲のざわめきをよそに、俺は抱えたゼニスの卵を見つめた。 これだけの魔力を注ぎ込んでも、この卵はまだ孵らない。それどころか、略奪した魔力の大半を飲み込み、さらに深く、静かに拍動している。
「……行くぞ」
俺は配下たちを従え、自分のダンジョンへと繋がるゲートへと歩き出した。 二つのコア、膨大な魔力、そして手に入れた謎のスキル**『逆境』**。 これらを使って、俺は「実験場」を根底から覆すための真の要塞を築き上げる。
「あるじの望むままに。リムは、ずっとそばにいるよ」
銀色のスライムが、愛おしそうに俺の首筋に擦り寄った。 俺たちの、本当の戦いはここからだ。
—————————
作者のルイです!
一旦物語はここまでですがこの先が気になる方がいれば応援してもらえるとやる気がでます。
進化の果てに @Ru-i3
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。進化の果てにの最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
参加中のコンテスト・自主企画
関連小説
ネクスト掲載小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます