我ら!消防隊
N
クリスマス 1話完結
※ この作品は素人による拙い文章の空想創作物語です。
幾年月が経った。
キリの良い年月日になると決まって増える。
「貴方は信じますか?」の名セリフで有名な元芸人による地球終末説。
既に描かれていた!と騒ぐ予言の漫画!
誰彼構わずにアップされる都市伝説。
時代は既にTV放送は無く。YouTubeやTikTokに代わりVネットとなった。
クリスマス イヴ。
時代が変わっても名曲は街に流れる。
マライア・キャリー。
ジョン・レノン。
ワム。
ポール・マッカートニー。
山下達郎。
深夜。
山を登る旧道の奥にあるトンネル。
古いがまだ使用されている。
しかし新道が開通され 車や人の往来は滅多に無い。
旧時代の名残り。オレンジ色の常夜灯が不気味に内を照らす。
国際桃園大学 心霊サークル。
5人のメンバーがクリスマス企画として。実況配信を行う。
トンネルの前。
部長の浅谷がメンバーに言う。
「みんな分かってると思うけど とにかく驚き騒がない事!混乱する !させる!は事故に繋がる危険があるからな!常に落ち着いて冷静に頼むな!」
副部長の平井がカメラを調整しながら。
「大丈夫だろ!今までラップ現象はあっても 霊なんてお目にかかった事無いし だろ?スズカ」
サークル内で唯一霊感があるスズカ。
「ウン そうだね」
「所詮さ雰囲気だよ!怖い雰囲気を視聴者に感じさせればいいんだよ!」
「とにかく みんな気をつけよう!」
太田崎が言った。
「カメラ準備OKです!」
浅谷がミヨに。
「じゃあミヨ!このトンネルの噂を紹介して」
言われたミヨは。携帯を見て トンネルの噂話しを話し出した。
「トンネルの怖い噂は3つ 白いワンピースの女性の霊 何でもこのトンネル内で複数の男性にレイプされた後に首を絞められ殺された」
平井がカメラをミヨにズームする。
「2つ目 男性が1人仕事帰り このトンネル内で若い男女の乗る車に轢き逃げされ死亡 遺体は数日間トンネル内に放置されてた 犯人は無免許だった」
スズカの隣で携帯をイジっているキョウコ。
その行為が気になるが ミヨは話し続ける。
「最後 深夜2時頃 まさに今の時刻ね トンネルの天井に複数の人の顔が浮かびあがり それを目撃した者は気が狂ってしまう」
平井はカメラを向けながらミヨに。
「随分と多いな」
「この地元では結構有名な噂だよ!」
「わかった!ありがとうミヨ!じゃあ行こうか」
5人はトンネル内に足を踏み入れた。
「浅谷 検証するんだろ?誰がする?」
「そうだな 取り敢えずみんなで往復した後 1人検証 今回はキョウコに頼むかな?」
携帯をイジっているキョウコ。「やった!」と声をあげる。
「おっ!そんなに1人検証したかっのか?」
浅谷の言葉に異を唱え。
「違うよ 番号が見つかったの!」
「アンタさっきから何やってんのよ?」
キョウコが携帯を見せ。
「この番号さ 1回しか使用出来ない番号なんだよ やっと見つけたンだ!」
何ソレと携帯を覗き込むミヨとスズカの2人。
「2度目をかけると 現在使われておりません になるらしいンだ」
スズカがキョウコに聞いた。
「何の番号なの?」
「困ったら電話するらしいよ 都市伝説だけど……試しにどうなるか電話した人が居たらしいけど……イタ電だと すぐに使われてません!になるんだって」
緊張感の無い会話の3人に浅谷が。
「ソロソロ3人とも真面目にな!……スズカどう?」
霊的な何かを聞く浅谷。
スズカが立ち止まった。
キョウコの腕に捕まり震えた。
平井がカメラをスズカに向けるとスズカだけでなく キョウコやミヨも前を向いて震えていた。
平井は驚き。カメラを前に向ける。
トンネルの出口に 汚れた白いワンピースの女性。
傷ついた素足で立っている。
平井は慌てて浅谷に。
「おい浅谷!出よう!ちょっとヤバいかも!」
身動きしない浅谷に心配になって駆け寄る平井。
浅谷は白目を剥いて 立ったまま気絶していた。
平井はカメラを落とし腰を抜かす。
ミヨはスズカに抱きつき。
「スズカ何アレ!」
スズカは震え。
「それもだけど 気がつかなかった?……1人増えてない?」
ミヨもキョウコも「えっ!」となる。
スズカが震えた声で尋ねた。
「誰?あなた……」
と太田崎に聞いた。
太田崎は3人に向かって不気味な笑顔を見せた。
ミヨが気を失いその場に倒れた。
スズカはキョウコにしがみつき震えた。
キョウコも震えが止まらない。
太田崎の腕や脚は おかしな方向へ折れ曲がっている。
だからか 歩き方が変だ。
トンネル出口のワンピースの女性もユックリと近づいて来る。
キョウコの視界が天井を見ると。たくさんの顔が浮き出ていた。
気が狂いそうになる。
スズカは手首の数珠を握り 題目を唱えていたが効果が無い。
キョウコは偶然。強く握った携帯のコールボタンを押したらしい。
『ハイ 緊急のご連絡ですネ キャッチ致しましたので すぐに伺います!』
その声にキョウコは慌てて耳をあて。
「助けて!助けて!早く助けて下さい!」
電話は既にキレていた。
サイレンが鳴る!
令和後期に造られた Q ー 42型 消防車。
その後ろを走る赤色灯を回した赤い乗用車。
道を急ぐ!
現場に到着!
消防車と乗用車から素早く降り出た隊員達。
赤色の防火服に赤色のヘルメットを身に着け1列に並んだ。
隊長が前に立つ。
「点呼!」
隊員達は敬礼し。
「隊員!参号丸!」
「隊員!四号丸!」
「隊員!互号丸!」
「隊員!陸号丸!」
先に現場を見て確認して来た隊員が報告に来た。
敬礼をし。
「隊員!弍号丸!報告します! 数が多く存在します!」
隊長は弍号丸に敬礼を返す。
「ご苦労!これより消化活動に入る!ホースは2本使用する!口担当は隊員!参号丸! 隊員!四号丸に任す!」
四号丸が隊長に上訴した。
「壱号丸 隊長!自分は口担当はイヤです!ビショビショに濡れるの凄いイヤです!」
隊長は参号丸を見た。
長い黒髪がヘルメットから出ている。
モデルか?と思う程美しい女性だ。
「隊員!参号丸! 隊員!四号丸に指導してやれ!」
参号丸は敬礼をした。
その言葉に四号丸は慌てて言った。
「壱号丸隊長!ちょっとした冗談………」
四号丸は馬乗りに乗っかる参号丸に マウントパンチの連打を食らった。
「隊員!四号丸! 過去 令和の時代 この指導はパワハラと呼ばれていたらしい!今は愛の指導と呼ぶ!他の諸君も理解するように!」
全員敬礼した!
「ヨシ!消化開始!」
隊員達は準備に入った。
「隊員!参号丸!もう良いぞ!………隊員!参号丸!もう勘弁してやれ!………参号丸さん……やめてあげて下さい……」
参号丸は満足気に消化準備に入った。
弍号丸が四号丸に駆け寄る。
そして隊長を見た。
「壱号丸隊長!無事 息が有ります!」
Qー46型から2本のホースを出し。トンネル内に伸ばして行く。
テキパキと動く隊員達。
隊長が命令する。
「隊員!参号丸補助! 隊員!陸号丸!」
「ハッ!」
「隊員!四号丸補助! 隊員!弍号丸!」
「ハッ!」
「隊員!互号丸!水量最大!」
「ハッ!水量最大!出します!」
「隊員!参号丸! 放水開始!」
「ハッ!放水開始!」
「隊員!四号丸! 放水開始!」
「※※∝!∂∅∌∂∞∝∇∆∃!」
(顔が腫れ言葉にならない)
トンネル内では気絶した心霊サークルメンバーに取り憑こうと悪霊達が襲っていた。
そこへ参号丸と四号丸がトンネルに進入。
ホースの口を悪霊達に向ける。
ホースから水圧の強い放水が開始される!
参号丸が太田崎に水をぶつける!
悪霊 太田崎は「アワ アワ アワワ」と言い。苦しそうに藻掻き。水に流されるように消えた。
隊員参号丸は。
「消化!」
と叫んだ。そして次にトンネルの天井に向け放水した。
四号丸が白いワンピースの女性に水をぶつける!
悪霊白いワンピースの女性は「アワ アワ アワワ」と言い。苦しそうに藻掻き。水に流されるように消えた。
隊員四号丸は。
「しょうひゃ!」
と叫んだ。そして次にトンネルの天井に向け放水した。
天井の悪霊は「アワ アワ アワワ」と言い。苦しそうに藻掻き。水に流されるように消えた。
隊員参号丸と隊員四号丸は。
「消化!」
「しょうヒャア!」
と叫んだ!
隊長壱号丸が現場内に来て。被害者のサークルメンバーを見た。
「霊に当てられている!消化開始!」
隊員!参号丸と隊員!四号丸はサークルメンバー全員に放水した。
強い水量にメンバー全員は気がつくが。「アワ アワ アワワワワ!」と溺れるように言った。
「消化完了!撤収!」
隊員達はサークルメンバーの前に並び。敬礼する。
「サリュ!(さらば)」
サークルメンバーは全員水に濡れ、寒さで震えた。
そのメンバー達に。
消防隊内もう一人の女性隊員。陸号丸が高熱ホカロンを渡していく。
ホカロンには
「碑に用心!霊魂一体 呪いのもと」
と書かれていた。
消防車はUターンの道幅がない為 バックで下山した。
帰路の乗用車 車中。
後部席に座る四号丸が 助手席の隊長に上訴した。
「壱号丸隊長!やはりビチョビチョになりました!自分もホカロン頂きたいです!」
隊長は四号丸の隣に座る参号丸に命じた。
「隊員!参号丸! 隊員!四号丸に気の済むまで愛ある指導をせよ!」
四号丸は………星になった。
車外は雨が降り やがて雪へと変わった。
困った時は 1回しか使用出来ない番号へご連絡を………。
我ら!消防隊 N @thx1138thx1138
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