第八話:新たな夢
「長くなりましたね。少し休憩にしましょう。」
そう言って神父様は、キッチンへ行った。
私はぺらぺらと目次を見る。分厚いから面白そうなところから読みたいな。
「声が聞こえる。」
思わず声が出た。まさに今の私と同じ状況だ。
目的のページをすぐに探し読み始める。
最初は何かわからず、少し怖さもあった。けど今は、神父様に話を聞いたり本を読んだりして、ワクワクしてる。
なりたい。私も精霊士になりたい。気づけば私はそんな風に思っていた。
「楽しそうですね。」
両手にカップを持って神父様が戻ってきた。
「はい!神父様、私精霊士になりたいです!」
「それはいい夢ですね。訓練をせずに精霊の声が聞こえたのです、マリーには大きな可能性がありますよ。応援しています。」
そういう神父様の顔は満面の笑みだった。
「では、そろそろ魔法の勉強を始めましょう。」
「はい。お願いします。」
私は新たな夢を胸に、いつかその夢をかなえるための第一歩のために、今日も魔法の練習に励んだ。
「今日もありがとうございました。」
「お疲れさまでした。気をつけて帰ってくださいね。」
今日の勉強が終わり、私は教会を後にした。
一日中精霊のことを考えていたからか、今すぐにでもあの精霊に会いたくなってきた。思い立ったらすぐに行動したい私、急いで家に帰ることを決め、歩くスピードを上げた。
「ただいま。」
家に帰り、荷物を部屋に置くと、私はすぐに階段を下りた。勢いあまって階段を踏み外しそうになったけど、勢いでそのまま降りられた。階段を落ちかけて一瞬落ち着いたが、結局すぐに裏庭に飛び出した。
「よし。まだ日は沈んでない。」
深呼吸する。落ち着いて、集中。
ゆっくりと足を前に出し、ステップを踏んでいく。落ち着いてきたと同時に、手を上げ始める。
でも正直、頭の中はあの精霊のことでいっぱいだった。
いつ来るのか。もしかしたら今日来てくれるかも。でも本当に来るのか。そもそもあれが嘘だったのではないか。
色んな考えが、頭の中にあふれる。
違う違う!集中!自分にそう言い聞かせて呼吸を整える。
お母さんが言ってた。これはおばあさまの踊りだって。とっても綺麗だったって。
美しく。しなやかに。
私は自分の体に集中した。どうすれば美しいか。どうしたらもっと良くなるか。おばあさまがせっかく残してくれたのなら、私はこれを完璧にしたい。
気づけば、今までにないほどに集中していた。
だからだろうか。突然大きな声が耳のすぐそばで聞こえた。
鼓膜が破けるのではないかと思った。
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