第九話:再会

「びっくりした!」


「さっきから呼んでる!」


「ごめん。自分でもびっくりするくらい集中してた。」


「うん。綺麗だった。すごく。」


「本当??」


綺麗?本当に?今まで言われたことなかった。いや、誰かに見せたことなかった。

でも、褒められるととっても嬉しい。


「まだ踊る?」


「今日も一緒に踊りに来たの?」


「うん!」


相変わらず私の目に精霊は見えないけど、今日も会うことができただけで私はとっても嬉しかった。

「じゃあ一緒に。」


「一緒に!」


そう言って、私たちはせーので踊り出した。

見えないのに、何となく呼吸が合っているような気がした。気がしただけ。本当のところはわからない。それに、風を感じる。楽しい。本当に。その気持ちは本物だった。

「ねえ。あなたお名前は?」


「私は、シェシェ。」


「シェシェ。いい名前ね。本当。可愛い。」


「可愛いでしょ。」


「うん。とっても可愛い。あなたは何の精霊なの?」


「風だよ。」


「風…。ねえ、あなたは私と踊るときどこにいるの?」


「あなたの周りを回ってるよ。」


「同じところを回ってるってこと?」


「うーん。色んなところ。手とか足とか。好きなところ。」


「なるほど……。んー、じゃあ指先とかにもいくの?ていうか、そもそもあなたって大きさどれくらいなの?」


「あなたの手くらいかな。」


「手の先の周りも飛ぶの?」


「飛んでる。指が綺麗で好き。」


!!。突然の告白に驚いた。指が綺麗って。嬉しい。

「笑ってる。嬉しいんだね。」


「ありがとう。指が綺麗って言ってくれて。とっても嬉しかった。」


「うん。じゃあ今日は帰るね。また来る。」


「え、うん。気をつけてね。」


「じゃあね。」


あっさり帰ってしまった。ちょっと寂しいなと思いつつ、また来るというシェシェの言葉を信じ、私は家の中へ入った。

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