第3話 雷雨

特別な傘で一緒に歩いた次の日。

雨はまだ降り注ぐ。外に出ると透明になってしまう。

でも学校に行かなくてはならないので、家を出た。

しばらくして、昨日の女子を見つけた。

「…あ、昨日の」

「あの、名前を、お、教えてください」

名前を聞かれるなんて数か月ぶりだ。

霧雨雷斗きりさめ らいとです」

「わ、私は、麻日波瑠あさひ はるです…」

「き、昨日は…本当に…ありがとうございます」

今思い出すと、陰キャラで大した取り柄もない僕が女子と相合傘するなんて、なんてすごいことなんだろうと思った。二次元かよ。

「いやいや…」

コミュニケーションが苦手、いわゆるコミュ障同士かのような会話だ。

「き、昨日の、傘の、ことなんですけど、特別な傘なのかもしれないって思いまして、どこで買ったんですか?」

「昨日の朝、『今日はすごいことがおきます』と書かれた紙といっしょに傘が置いてあったんです」

「…なるほど」

と言われても、そんなザ・二次元みたいなことが起きるわけないし、特別な傘が起きたらあったなんて十中八九ありえない。

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ふわふわうさぎ @huwahuwausagi

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