第2話 特別な傘

          〇

私は日光を浴びると透明になってしまうし、透明な人が光って見える陰キャラ中学生。

防ぐ方法はなくて、自分でもこの体質が無くなればな、と思う。

今日は幸い時雨だ。

道を歩いていると、光って見える男子の同級生がいた。名前は知らない。

「光ってる…もしかして」

透明になっている…。

「あなたも、透明になることがあるんですか?」

思わず聞いてしまった。

「…な、なぜわかるんですか」

「私は日光を受けると透明になってしまうんです。それでなぜか、透明になる人が光って見えるんです、透明な理由を教えてください」

「……雨に濡れると透明になるからです」

私の反対だ。

「そうなんですか…傘はないんですか?」

「傘も高級で特別のものでないと意味がなくて…どこに売っているかもわからないし…」

「そうですか・・・」

私は光っている私の傘をさし、男子のところに行った。

「傘は効果がない……あれ?」

男子が光らなくなった。もしかしたら、私の傘は特別な傘なのかもしれない。

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