紫の私

誰が言ったか、赤マントと青マントの怪談。

答えを知ろうが知るまいが、私は絶対に「紫」と答えるだろう。


赤色のセーターか青色のセーターかと聞かれれば、

相手がどう思おうが、私は絶対に「紫」と答えるだろう。


逆になぜ、多くの人は片方を答えられるのか、いつも疑問に思う。

多くの人は優柔不断と私を評するが、逆に答えを急きすぎだろうと考える。

両者が良いなら、中庸を選択に決まっているだろう。


人は曖昧だから生きていられる。

誰もが生きたいと思い、死にたいとも考えている。

それを否定しまうのは、死の決断をする第一歩でしかない。

だから私は、曖昧になる。


曖昧になれば、私の意見をもつ必要もない。

先人の真ん中を行くだけで、私は生きていられる。

おまけにそこそこの理論性も得られながら、だ。

こんなに自由なことが他にあるだろうか。


しかしそうもいかないときが、悲しいことだが存在する。

綺麗なものと汚いもの。

明らかに格差があるときは、良いもの選ばざるを得ない。


なんと苛立たしいことだろう。

ない選択肢を選ばされて、その癖責任だけは起こる。

私はこういう質問が嫌いだ。


曖昧でなければ、私は死んでいるだろう。

何故ならば。


私は劣ったものが好きだから。

まるで私を見ているようで。

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赤橙黄緑青藍紫 玄 麻衣 @Sizuka_mai14

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