空は青く

空は青く。

私は青い。


入学式の日、緊張して体を青く染めた私。

お腹も痛くして、初めての一日は便所と触れ合う時間ばかりだった。


空は青く。

私は青い。


自己紹介で、案の定スタートダッシュに失敗した私。

友達はできず、読んでいた旧友と友情を深めるばかりだった。


空は青く。

私は青い。


何をするにも中途半端で、友達はまだできない。

誰かのために何かをしようとしても、それすらできない。




空は赤く。

私は赤い。


はじめて自分に優しくしてくれる人。

はじめて話し合えた人。恥ずかしく、顔が赤くなる。


空は赤く。

私は赤い。


話している内に、おかしくなってくる。

あなたの色が、私を染めるようで。


空は赤く。

私は赤い。


あなたと会えて、いつも嬉しい。

また会える日をいつも楽しみにしている。




空は黒く。

私は黒い。


あなたは私を裏切ったね。

でも、それも仕方ない。私に優しくできるなら、それはそうだよね。


空は黒く。

私は黒い。


あなたと話せない日常は、こんなにも暗い。

あんなことしなければよかった。


空は黒く。

私は黒い。


先が見えないときはどうすればいい?

目を奪ったのなら、返してよ。


空は黒く。

私は。




空は青く。

私も青い。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る