12/29 たぶん全国規模です

 あれはいつかのお盆休み期間中だったと思います。長期の休みということもあり、映画館が案の定混んでいました。まだその頃の映画館といえば、受付で料金を支払うシステムでしたので、溢れた沢山のお客さんが、列を並んでいました。もう限界だったのかわかりませんが、「いい加減にしろ」(下弦はあなたでしたか?それとも私?)と誰かが言ったのかを皮切りに口々に、あちらこちらで怒号のような声が聞こえだしました。


「どうなってるの?」(こうなってます)「こんなことになるのわかってるでしょ?」(わかっていても、上からの指示がなければ動けないと思うし、動いたら動いたで怒られるのは、どちらにしてもそちらではないのです。わかっているのは上だと思いますが、どの辺くらいの上なのかわかりません。しかも上があえてやっている可能性も

あるのをご存じでしょうか。つまり、これは・・・)「対応して!」(はい、今対応中です)などと、私の頭にはたくさんの文字にしたセリフが飛び交い、まだ映画も見ていないのに、一体何を観させられているんだろう...と考え込んでしまったのです。()カッコ内の言葉は、私の妄想誤もうそうごです。造語です。きっとこれは、映画本編前の各種映画予告の前にはじまる、映画マナーの注意喚起の前の何かのだったのだと、後に考えるように至りました。

 

 当時の私は、混むことを見込んでいて早く前のりしていたので、映画館の上映時間には間に合いました。もちろん飲み物も映画館内のものを注文しているので、その分も加味しなければならないですし、そうなるとトイレの時間、それでまでに道路予測などの交通状況、(私は自転車なので交通渋滞情報はないですが、いつもの道が、事故や工事などが発生していた場合は迂回ルートによる遅延が発生します)などを推測して、早めにに家を出るという行動をとらなければならないのです。それと、私自身は超過敏性腸炎のため、飲み物を大量に飲むとトイレに、何回も行かなければならなくなる為、前日から飲み物を控えなくてはならないですし、混雑を避ける為には、前日は早めに就寝しなければならないという計画書が存在しています。でもこれは一人でできるからいいのであって、PTメンバー募集を募ったり、PTメンバーが意見に賛同、目的の意思を共有していないと難しいと思われます。もしくは、誰かひとりに合わせるか。上映時間の開始を誰に合わせるかという事です。合わせないで、上手くペースがあえば一番いいでしょう。人間ってそんなに合わせられますでしょうか?あと、私はエンディングロールを最後まで見る派です。お楽しみあるかなって。

 この箱の中でも、さまざまな人間模様が繰り広げられている訳ですが、それをいちいち書いていては「お前、何を観に来てるの?」とどこかから、言われてしまいそうなので、端的に申し上げようと思ったのですが、書いていて自分でも引きましたので割愛します。

 

 それを経て私は、最近久しぶりに映画館へ行きました。最近の映画館は、すごいんですね。入場券も飲食も全部タッチパネル式で。販売促進物は違いましたけど。

 飲み物を受け取る際に、(帰りに薬も忘れずに持って帰らないとな)とふっと思ってしまいました。娯楽であるはずの映画館が、病院みたいに感じられてしまい...というのも、同時期に病院に通院していたんです。


 病院のほうは病院のほうで、本人確認のため、本名と生年月日を告げなければいけないんですが、こちらもこちらであらゆる怒号がありました。受付時間早めに来ているのにも関わらず、全員がそのようなお気持ちで、まえまえまえと順番待ちになっていたのです。考えることは皆一緒です。誰もが早く終わらせて帰りたいのです。

 ですが、体制が追い付いておらず「どこに並べばいいんだよ」(人手不足なんだと思います)「どうなってるの?」(こうなってます)「こんなことになるのわかってるでしょ?」(わかっていても、上からの指示がなければ動けないと思うし、動いたら動いたで責任を取らされるのは、どちらにしてもそちらではないのです。わかっているのは上だと思いますが、どの辺くらいの上なのかわかりません。しかも上がわかっていない可能性があるのをご存じでしょうか。つまり、これは・・・)「対応して!」(はい、少々お待ちください)という、どこかで似た映画を観ていたなあとふっと思いました。

 しかもこちらは、命がかかっているので、その尋常さが尋常じゃないのでしょう。だからこその本人確認なのですが、それはプライバシー侵害に抵触するのではないか・・・という疑問がどうしても拭えませんでした。だって1回や2回ではないんです。受付、検査、診断、薬・・・全てに口頭での本人確認が必要なのです。今現在はわかりませんし、各病院にもよりますが。これは本当に大変だと思います。辛い人に口を割らせるのですから。何度も割らせるほうも辛いでしょう。命の天秤はどちらに傾くのか。それ以降、改善策がとられたようなのですが、先生に対し罹る患者が多いので、予約時間が予約ではなくなっていました。

 私自身は、病院の薬ではないと効かない症状だったため通院していたわけなのですが、薬をもらいに行くために半日かけるのは...という気持ちにもなりましたし、予約なしの人は一日潰れる、入院中の患者も検査は新規患者と同じシステムで...医療事務は病院の顔で、医師は何時に帰れるんだろうか?看護師のメンタルはこのような状態の中作られるのだな、薬剤師は薬を間違えたらいけないという最終処理班で、経営陣にはお会いしたことはないですが、最終的に何かあった場合責任をとるのはこの方たち...等という何重もの重い気持ちになり、行くのを止めました。

 私一人が減ったところで何もならないとは思いますが、私は天秤にかけ選んだわけなんです。だって治したくて通っている病院で、ホラーを観させられるなんて・・・娯楽を楽しみたくて行った映画館で、ホラーを観させられるなんて・・・ホラーではないなら、なんのジャンルになるんでしょうか?現代ドラマ?ノンフィクション?どちらにしても、あのカードは発行され運営されたのです。それは生かすための活かし方のはずなのですが。それがどういうことなのか・・・さり気なくそっと、忍び寄って来ているわけです。。あの大海の生き物のように。熱帯雨林に潜んでいるあの生き物のように。しかも、最早ここだけの話ではなく、全国規模な訳です。病院、薬局、映画館、銀行、役所役場、郵便局、警察署、飲食店、イベント行事関連、物販関連、神社....まだまだ、私の知らない世界は在るんでしょう。


 

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