一週間メランコリー ★6

★6 必ず終わるなつやすみ


 宿題は全く、手を付けなかった。私の場合はいつもそうだった。


 さて、私たちが遊びながら仕上げた自由研究は先生方に好評で素晴らしいということで、発表しなさいと云われた。

 私は「嫌です。発表しません」と言った。そしてそう、決まった。


 庄平は発表したかった、と言っていたけれども、私は……社交不安障害だった。要は、極度のあがり症。SAD、なんても云われる。

 そうなってしまった時、というのが私の場合はあって、はっきりと覚えている。

小学5年生の時に朝礼を行っていた時だ。

 1時間目は国語、2時間目は算数……だとか言っている最中に、突然声が出なくなった。自分でも何が起こっているのかわからなかった。声を出そうとすると、ストップがかかる。理由は全く分からない。

 それから、何に対しても緊張してしまうようになった。声がまたストップしてしまうのではないかという恐れがすごく心を締め付けた。人前で普通に話している最中にもこれは起こることがあった。

 そういった理由があって、自由研究の発表をすることを拒否したのだ。

 それが治ったな、というのはかなり後で、この時から10年後だ。仕事で頻繁に話すことがあり(開発に加えインストラクター)それが普通に出来るものだから、自信がついた。治った、のだ。

 さて、私たちの自由研究は早出川と例の支流や他の川の地図を巨大な紙に書いて、どこで何が釣れたかを書き込んだものだった。支流でニジマスが釣れたということには誰もが驚いていた。

 奇跡的だと。私たちだって、そう思っていた。

 しばらくの間、私たち自由研究の作品は、教室の後ろの小さな黒板のところに貼り付けられていた。


 今だったらわかる。


 レインボートラウトを釣ったという体験も重要なのだけど、物として残る自由研究の作品、それこそがなのだろう。


 あの巨大な地図は、どこへいってしまったのだろう?

 宝物は、どこへいった?

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