第8話

「マジかー…………」


 スマホのアプリに表示されたログを見ながら、声を漏らす。


 それは、所謂『見守りアプリ』と呼ばれるやつだ。親が子供のスマホに入れて、寄り道してないかなとか、どっかで迷子になってないかとか、そういうのを確認するやつ。

 それを自分のスマホに入れた俺は、今日一日の自分の行動を眺めている。

 学校終わりにどこかに行った記憶はない。直帰したはずだ。だがそこには、2時間に渡る散歩が記録されている。


「ここは……本屋か。次にファミレス、んでライトライン乗って、学校に戻る。……なんだこのルート?」


 おかしな行動だ。少なくとも無意識で出来る行動ではない。そして、柏田に送っていたメッセージが帰ってきた。


『ほら、お前と会長の写真。これで良いんだろ?』


 そこには、ライトラインに乗ってる俺と、会長が映ってる写真があった。柏田には今日の放課後、1時間で良いから俺の後を尾行するように伝えてあったのだ。バイト代は1000円。


「犯人は、会長か……?」


 とはいえ、おかしいのは会長一人ではない。ならば、やるべきことは――


 ――目的の相手に、メッセージを送る。

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