銀色のデジャヴ
みぃ
軈て届くメッセージ
金色(こんじき)に きらきら
銀色に ゆらゆら
薄紫に さらさら
あなたと紡いだ日々は
どんな光よりも 眩しくて
ふたりの心は 銀色に揺れた
「薄紫色が好き」
いつかこぼした あの一言を
あなたは 覚えていてくれた
六月に ふたりで歩いた
紫陽花公園
薄紫の花びらに 小雨さらさら
小さなしずくの またたき
金色に きらきら
銀色に ゆらゆら
そして――。
見上げた空に 星を数え
見つめた空に 永遠を知る
デジャヴのような この予感
遠く生まれる前から 私はこの空を
知っていた気がする
遥かなる旅路の果て
遥かに広がる 宇宙(そら)
ずっと 見守られていた
哀しみ、切なさ
喜び、そして 呼び起こされる記憶
それは 大いなる調べ
神様の描いた 大きな目論見
それさえ 静かに見つめながら
大丈夫、臆することはない
遥かなる御心を やがて私は
本当の意味で 知ってゆくのだろう
静かなる雨の朝
窓を濡らす優しい音色
世界がやわらかい光に包まれて
モノクロームの景色が
ひとつ、またひとつと色を帯びていく
シトシトと奏でられるメロディ
心が解けていくように静かに広がり
遠い記憶の扉をそっと開ける
雫が描く小さな輪
それは儚くも美しい命の輝き
すべてのものが洗われ
新しい一日が
澄んだ空気とともに始まる
焦がれていた昨日も
不安に震えた明日も
すべてを洗い流して
そっと寄り添ってくれる雨音
今日もまた、
やわらかく、あたたかく
世界を包み込んでいる
銀色のデジャヴ みぃ @miwa-masa
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