考察

 以下は、注釈ではなく、私的な整理である。


 『世界卵神話』には、三つの可能性がある。


一つ。

 卵は存在し、割れて、世界が生まれた。

 その瞬間の記述だけが失われた。


一つ。

 卵は存在し、まだ割れていない。

 わたしたちは、その内側にいる。


一つ。

 卵は存在しなかった。

 世界はすでにあり、

 起源を語るために卵という形が与えられた。


 どれも、否定できない。

 どれも、確かめることができない。


 わたしにできるのは、

 この三つが語られているという事実を、

 記録することだけである。

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