第五話
あれから一週間ほど立っただろうか。やっと街が見えてきた。もう踏ん張りだ。
なんとか街についた。この街は随分と活気に満ち溢れていた。
着いた嬉しさのあまり俺は興奮が抑えられなかった。
──────
そういえば、街に向かっている途中のことだが、巻き戻しの能力に新たな使い道?を発見した。今までは「リトライ」と声に出していっていたが、心のなかで唱えても同じように発動できるのではないかと考えた。こっそり試したところ心の中で唱えることでも発動することがわかった。ただ、リトライと強く念じないと発動しないので時間がかかってしまう。使い物にならないということだ。
まずこの街の武器屋に向かうか。
武器屋に入ってみたら強面の男がカウンターにいた。俺はビビりながらも「安くてできるだけ性能の良い剣と防具はありますか?」と聞いてみた。そしたら強面の男とは思えないくらい優しく教えてくれた。
「これなんかどうだ?」と聞いてきた。持ってきたのは短剣と皮の防具だった。
俺は巻き戻しで動き回るし短い剣と軽い防具はぴったりだと思った。難点があるとしたら、短剣は殺傷能力が欠けていて、皮の防具は軽く薄いので防具としては不安だ。予算もきついのでこれを買うことにした。
俺は値段を聞いてみた。
男は少し考えるように顎を撫でてから言った。
「短剣と皮の防具で、大銅貨八枚だ」
「……安くはねぇが、今のお前には悪くない」
俺と彼女の所持金を足しても大銅貨三枚。
全然足りないと困っていたら男が助言をしてくれた。
「金が足りないならキープしといてやる。ギルドの依頼を受けて増やしてきな」
俺は男にとても感謝した。でもギルドかぁ。できれば面倒くさそうだから近づきたくなかったんだけど。金がないなら仕方ないか
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