【19:17】技術的可能性について

B: 「技術的には、観測者は必ずしも専門員である必要はありません。視覚、聴覚、存在認識——人間はすでに高性能な観測装置です」


Bは淡々と続けた。


B: 「量子レベルでの観測効果は実証済みです。人間の認識が確率波を収束させる。それは物理法則です」


C: 「それは比喩ですか?」


B: 「いいえ。設計上の事実です」


Cは深く息を吸った。


C: 「つまり、あなた方は人間を……装置として扱うと」


A: 「装置ではありません。観測主体です」


C: 「違いは?」


A: 「装置には意志がありません。人間にはある」


C: 「その意志を、無視するのですか?」


A: 「いいえ。利用します」

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