第12章 「秘密と誤解の解消」

週末の放課後、二人は再び図書室で古い本を読み込んでいた。

「桜井、どうやら光の欠片だけじゃなく、互いの心の距離も関係してるみたいだ」

蓮(咲)がページを指差す。そこには「感情が互いに通じ合った瞬間、身体は元に戻る可能性がある」と書かれていた。


「つまり…私たち、ちゃんとお互いの気持ちを伝え合えば、元に戻れるってこと…?」

咲(蓮)は少し顔を赤くしながらつぶやく。蓮(咲)は静かにうなずいた。


しかし、互いの気持ちを言葉にするのは簡単ではなかった。

「桜井、あの時の言い方、ちょっと誤解させちゃったかもしれない…」

「えっ…そ、そんなつもりじゃ…」

咲(蓮)は慌てて言い訳するが、蓮(咲)は微笑んで手を差し出す。


「もういい。ちゃんと分かってるから」

その言葉に、咲(蓮)は胸の奥がじんわり熱くなるのを感じた。手を握り返すと、二人の距離は一気に縮まった。


その日の帰り道、校庭を並んで歩きながら、互いの手を自然と握る二人。

「ねえ、蓮…」

「ん?」

「私…やっぱり、あなたのことが好き」

咲(蓮)は小さな声でつぶやき、目を見つめる。


「俺も、桜井…俺もだ」

蓮(咲)は頬を赤らめながらも、力強く答えた。二人の手はしっかりと結ばれ、心の距離も完全に縮まった瞬間だった。


その夜、二人はお互いの感情を確認し合いながら、未来への希望を抱く。

入れ替わりという奇妙な非日常が、二人にとってかけがえのない経験になったことを、静かに実感するのだった。


夕焼けに染まる空の下、二人は手をつないで歩く。胸キュンな一日を終え、心はもう揺れない。互いの存在が、これまで以上に大切なものになっていた。

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