第3話 腰と脚を揉んでよ
次の日もやっぱり、丼屋で昼食(飽きっぽい蝶崎さんは、今日は海鮮丼にした)を摂った後、応接室に連れ込まれた
……えっへへ……
「てことは、今日も昨日も同じことを……」
「いえ、今日は大会議の設営を手伝わされて、重いテーブルを何度も持たされて腰の方が疲れたから、そっちのマッサージを頼むわ」
言うが早いか、蝶崎さんはジャケットを脱いだ
……いや、そりゃ上から揉んだらジャケットぐっちゃぐちゃになるし、Yシャツの上からの方が、き、気持ちいいんだろうから当たり前なんだが
……な、なんで俺
……一瞬、もっと脱ぐのを想像してしまったんだ?!
蝶崎さんはソファにうつ伏せになり、豊かなお山は殆ど目測できなくなってしまった。
ちぇっ……
座ったままでもできるのに、ゴロンとした方が楽だからって、ほんっとにものぐさだな。
い、いやいや!
料金に見合わないこと頼まれてるわけでもあるまいし、依頼内容に不満を覚えるな、俺!
し、しかし……
同じ会社にいて、年齢も勤務年数も3年しか変わらないのに、金を持て余してるからゴロンとだらしなく寝そべって気持ちよくしてもらう方と、金がないから金に釣られてご奉仕する方か
……悲しくなるほど格差社会!
ゴリッゴリッ
「た、たしかに凝ってますね、お疲れ様……です……」
蝶崎さんは彼女らしくパンツスタイルだが
……そ、それでも……
両親には肩を揉んだり叩いたりはしても、腰のマッサージは今まで同じ部活の男以外にしたことなかったけど、
女性って、細くてもこんなに背中が柔らかいんだ
……そして、ウエストから下にかけて、こんなに高低差あるもんなのか……
スケベ男扱いされたくないし、こ、こんなに近くでまじまじと見たことがなかったから……
蝶崎さんがうつ伏せなのをいいことに、つい視線が、ボリュームのある部分に……
「あっ……んんっ……」
やめてーっ!
昨日とは別の、頼まれてもない所に手が伸びそうになっちゃうよーっ!
「あっ、あと脚もお願いね」
このままでもできる、というかその方が楽なのに、なんでわざわざ座るのさ。
俺、低姿勢でやらなきゃいけなくなるだろ。
……あっ、いや、でも
……それはそれで、下からお山を拝めるわけだから……
「よいしょっと」
い、いや、そうだよね!
ず、ズボンもクシャクシャにならないようにたくし上げますよね
……と、透明タイツ履いてるとはいえ、
いや、寧ろ履いてるからこそ?
ふくらはぎが、白くて滑らかで眩しくて……
「……えっ?
ヒールも脱いじゃうんですか?!」
「ヒールって、そう脱げないサイズを選ぶと、足全体、特に指が押し込められてる感じで、痛いのよ。
もちろん、指もマッサージよろしくね」
「はっ、はいぃ……」
そ、そんな所
……マッサージしたことなんて、ないぞ!
な、なんて可愛らしい指なんだ……
こんな所もコリッコリしてるなんて、蝶崎さんってほんっとーに、いつも疲れた顔してても仕方ないほど苦労してて、
それでも社内の空気に合わせようと毎日ヒール履いてて、健気な存在なんだなあ……
土踏まずも凝ってますね……
「あっ……あっ……いたたたたっ!」
「あははは、足ツボマッサージしたら絶叫するタイプですね」
「……御名答、お恥ずかしい」
痛がるガチ悲鳴によって邪な気分が飛んでいったことに、ホッとしている自分がいた
……恥ずかしがってる様子もちょっと可愛いな、なんて思っちゃったけど。
さてと、最後は
……ふくらはぎ……
な、なんだ?
いつも隠れてる部分だからなのか、細い割に思ったよりプニプニしてるからなのか
……なんだか、ものすごく、
いけないことをしているような気がする……っ!
彼女の足に溜まった乳酸を、ほぐして減らしていくのに比例して、
今度は、俺の中に何やらよからぬものが
……溜まっていってる気がする!
「あっ……あっ……あっ……
きっ……気持ちいい……っ!」
も、も、もうやめてくれ、
そんな嬌声を上げるのは……っ!
おっ、俺っ……
蝶崎さんのこと、相変わらず地味で、
性格も悪いとまでは思わないけど、暗くて、仕事以外ものぐさだしで、良いとも思ってないのに、
もっともっと……いろんなことをしたくなっちゃってる!
単純接触効果、ってやつ?!
でも、文字通り今までにないほど接触した女性だからって、たった2日でこんな気持ちになっちゃうなんて
……俺、いくらなんでも、人間が単純すぎやしませんか?!
……ほ、頬を緩めるな……
は、鼻を膨らますな……
……こんなことを考えたり感じたりすること自体は、自然発生的なことで仕方がないのかもしれないが、
悟られてしまっては、俺の名誉だけではなく
……せっかくお金の有効な使い道を見つけたと喜んでくれてる蝶崎さんを失望させてしまうという点でも、おしまいだ!
この人は俺のことを、下心がない奴だと思ってくれてるからこそ、こんなことを頼んでくれてるんだぞ!
顔の筋肉を全力で引き締めろ!
……と、とはいえ
……下から見上げる、ジャケット脱いでるから白くて柔らかめの山脈の景色は、しっかりと目に焼き付けておきたいな
……と、さりげな〜く、そろ〜りと視線を上に送って、驚愕した。
視界に鮮烈に飛び込んできたのは、豊かな山脈ではなく
……その更に上から見下ろす、蝶崎さんの愉悦に満ちた表情だった。
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俺を30分1000円で使う先輩に、恋をした あっぴー @hibericom
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