第2話

 愛人アンドロイド、を、シンドバッド氏は3体所有しており、

 A,B,Cにちなんで、それぞれをアガサ、ベアトリクス、チェルシーと名付けていた。


AIの考える、「理想的な”アラブの石油王にふさわしい”愛人」というさまざまな特徴や属性に基づいて設計されていて、すべて網羅して、さらにシンドバッド氏の要望や好みに応じて個性的な3体がオーダーメイドされて、さらに微調整を繰り返しているのだった。


「知と愛」、ナルチスとゴルトムントという小説ありましたが、この”三姉妹”も三つ巴に好対称だった。

 お姉さまで理知的なアガサ。 肉感的で贅沢好きのベアトリクス。 妹タイプで、おちゃめなチェルシー。


 男の夢をすべてかなえる、完璧なラインナップ? だが、日々変わっていくいろいろな条件に応じて、アンドロイドの様々な機能はアップデートされ、もちろん永遠の若さを保っていた。


 ほかのたくさんの愛人たちはあまり顧みられなくなり、王宮を去っていくものもあった。 が、王様は慰留もしなかったのだ…夢の中で理想的な相手といつも逢瀬しているような、そういうVR体験に文字通り”夢中”になっていたのだw


 

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