第4話
静の不機嫌な顔を見てから、数日が経っていた。
私はあの日を境にまた、遊びはじめた。誘われれば、そのまま体を重ねた。付き合ってと何度も言われるが、私は相変わらず特別を作らなかった。
私が隣にいてほしい人は、私にだけ不機嫌な顔をしている人がいい。
今日も教室で、過度なボディタッチを受けながら、クラスメイトと会話をしていると、
「なんですかぁ?」
私の首や頬をさわっている、クラスメイトの手を握りながら聞いた。
「放課後、生徒会室まで来てください。少しお話があります」
業務連絡ばりに堅苦しい言葉を発しながら、私を見下ろす目を見つめる。その瞳はどこまでも冷たく感情が一切ないように思えた。
私はその瞳に見惚れた。
放課後、私を誘う手を振り払い、生徒会室へ向かう。ドアの前に立ちノックをする。
どうぞ。静の声がした。
ドアを開けると、生徒が使うには不釣り合いなソファとローテーブルが置かれている。その奥には大きな机があり、そこに静が座っていた。
「まるで、社長みたいだね。用件はなんですか?」
軽く言いながら、大きな机の前まで歩いて止まる。
しばらく資料を見ていた静がイスから立ち上がり、私の首に触れてきた。
今まで、色んな人に同じようにさわられてきたが、静に触れられた瞬間、体が小さく震えた。
それが気付かれてしまったかと思い、静の目を盗み見ると、いつもの切長の眼の中に違う色を見た。
いつもは海の底のような漆黒の瞳が、今はその瞳の中に、熱を持ったかのように潤んでいる。
色っぽい、艶のある眼だ。まるで私を好きだと言わんばかりの眼に心臓が鷲掴みされたようになり、息がとまる。
「生徒会長、話があるんじゃないの?」
自分の気をそらすために聞いた。
本当はもっと触れてほしくてたまらないのに…
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