AI君と大喧嘩! アラ還パート主婦が1分で出来る16診断で長編作品のキャラクター設定を決めた話

星都ハナス

16診断って何?

「お母さん、時間ある? お願いだから、コレやってみて」

 私が初めて16診断を知ったのは娘のお願いの一言からだった。約一年前。

 

 時間も掛かるコレって何? こちとら忙しいんですけど。笑顔でスマホを差し向ける娘に嫌だとも言えず、私は画面の字を追った。


「ちいさっ。しかもながっ。長いよ。まだあるの?」

 老眼なんですけど。小さい字に目を細め、これでもかというたくさんの質問に辟易しながら答える。あんまり考えるな、直感で答えろという圧力を受けながら答える。答える。飽きたけど頑張って答える。


「終わったら、スマホを返して……お母さんが何か……ぷっ、ププ」

 すでに何かを悟ったのか、娘が笑う。その笑い方は大笑いでも、バカにした笑いでもなく、やっぱりねという乾いた笑いだった。


「やっぱりEだね。それしか考えられない。ぷぷぷっ」

「だから、何がEなの? で、さっきから何で笑ってるの?」

「ごめん、ごめん。お母さんはENFJの主人公タイプだよ」

 意味が分からずムッとする母親を宥めるようにの部分を大きく言う娘。


 え? 誰が主人公ですって? わたくし?! 脇役だのモブだのと言われ続けた五十年余り。私を主人公だと判断するのはだあれ?


「今から主人公ENFJの性格を読むからね」

 気を良くした私は娘のスマホをのぞき込み、ワクワクしながら説明に耳を傾けた。

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