2日目

 押入れを整理していると、小さい頃の自分がハマっていたおもちゃがいくつか出てきた。今日も思い出に浸ることになりそうだ。

「あー!それオレも知ってるよ!なんだかんだで面白いよねー」

 しかしその時間は、あっという間に消えてしまった。

「……なんでここにいるんですか。完全に不法侵入ですよ」

「外から何回も声かけたけど返事なかったからさ、なんか緊急事態かもしれないと思って上がってきた」

「それはありがとうございます。でも、この通り私は無事なのでお引き取りを」

「昨日から思ってたけど、キミもしかしてオレのこと嫌い?」

 そういうのは本人に聞くものじゃない気がする……

「え、そうなの?会話って難しいねぇ」

 そうだった。この人、人の思考が読めるんだった。

「そうだよー」

「〜ッ、とにかく!今日は私特に忙しいんです!相手して欲しいなら明日以降にしてください」

「あら、それはごめんね。じゃあまた明日くるよ。ばいばーい」

 そうして、桜さんはあっさり去って行った。

「なんか、嵐みたいな人だな……」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

庭の木にいるお兄さん 【流浪者】天地まう @amia_07

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ

参加中のコンテスト・自主企画