ときの轍

みぃ

傷みも感じてる‥




軋む音をたて

時の車が 通り過ぎる

見慣れた街路を

無言のままに


​誰かの笑い声

誰かの涙の痕


置き去りにされた あの日々を

​振り向けば 窓枠に切り取られた

遠い日の 幼い自分


手を伸ばしても 指の間をすり抜ける

いまはもう

形をなさぬ 記憶の淡雪


​立ち止まることは 許されず

乗り込むことさえ 拒まれて

傍らを 無慈悲に駆け抜けてゆく

銀輪のうなり そして時間の流れ


​けれど

その車が巻き上げた

微かな 風の匂いの中に

君の残像を見つけた


​まだ 消えずに

この胸の奥で 熱を持っている

きっと傷みも感じてる..

もう一度 出会える日を

予感するように 


​キシキシと 喉を鳴らして

時の車が また来るだろう

今度は 何を

奪い去るのか、運んでくるのか


​ただ ひとつ

確かなことは

この心は まだ

君という季節を 待っている

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ときの轍 みぃ @miwa-masa

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